日本写真印刷はこのほど、PIM(=パルプ射出成形。Pulp Injection Molding)を用いたパルプ成形同時加飾技術『Nissha PAX』を開発した。この技術で成形されたパルプ成形品は、90%以上が自然由来の素材で構成され、またオフセット印刷で加飾された『FiberForm』という特殊な用紙をインサート成形することで、デザイン性も高められる。
包装緩衝材や各種容器として使われるパルプ成形品は、強度を保つための添加剤や成形するための凝固剤が使用されており、必ずしも環境によいとは言えなかった。また、樹脂成形品のような加飾は施せなかった。しかし『Nissha PAX』を使えば、エコ素材でありながらデザイン性にも優れたパルプ成形品を作ることができる。
「高温多湿に弱い」「ウェルド部は強度が劣る」などの弱点はあるものの、○紙独特の触感とデザイン性 ○紙としてリサイクルが可能 ○約6ヵ月で土中分解する生分解性能 ○寸法精度、強度は汎用樹脂と同等 ○比重が軽い(0.85程度)などの特長から、現在樹脂が使われているパッケージや雑貨市場での代替品として期待できる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/3号」より