日本製紙連合会が集計した3月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△1.3%の223.6万tと10ヵ月連続の減少となった。うち、紙は±0.0%(△431t)の131.8万tと横ばいだったが、板紙は△3.2%の91.8万tにとどまった。主要品種は塗工紙を除き減少している。
紙・板紙のメーカー輸出は同+37.7%の7.8万tで7ヵ月連続の増加。紙を中心にアジア向けが拡大している。依然、震災前の水準は下回っているが、約8割のレベルまで戻した。
紙・板紙の在庫は前月比△7.7万tの194.5万tと、2ヵ月連続の減少。うち、紙は△8.4万tと2ヵ月連続の減で、印刷・情報用紙を中心に圧縮された。他方、板紙は+0.7万tの64.4万tと2ヵ月ぶりに増加へ転じた。主力の段ボール原紙、白板紙とも増えている。
主要品種の動向は次の通り。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比+2.9%の73.9万tと、前年3月以来1年ぶりの増加となった。年度末需要により荷動きは商印向けを中心に堅調、加えて輸入からの振替えや価格修正に伴う前倒し需要も一部影響したようだ。品種別では、塗工印刷用紙(含:微塗工)が同+7.8%の42.7万tと増加。
またメーカー輸出は合計で同+19.1%の4.8万tと急増。+19.8%の3.8万tと急拡大した塗工紙を中心に、3ヵ月連続で増えている。
〔包装用紙〕国内出荷は同△6.7%の6.7万tにとどまり、5ヵ月連続で減少した。主要品種の中では、落ち幅が情報用紙と並んで最大となっている。
〔衛生用紙〕国内出荷は同△2.0%の15.9万t。落ち幅は縮小しているが、製品輸入の増加などもあり2ヵ月連続の減少。
〔段ボール原紙〕国内出荷は同△3.8%の72.8万tで、2ヵ月連続の減少となった。荷動きは全般的に低調で、とりわけ中小コンバーター向けの減少が影響している。
〔白板紙〕国内出荷は△3.0%の12.3万t。一般向けを中心に基調に大きな変化はなく、5ヵ月連続の減少。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/20号」より