三菱製紙はかねて、都市再生機構から損害賠償請求の訴訟を起こされていたが、このほど機構が請求額拡張を申請し、6月25日付で裁判所がこれを受理した。

　都市再生機構が損害賠償を請求しているのは、三菱製紙から購入した中川工場跡地（東京都葛飾区、18万2,155㎡）について。両者は2001年に同跡地の売買契約を締結し、04年に引渡しを完了したが、ここに地中障害物があるとして10年3月、機構側が63億7,763万7,034円の損害賠償を求めて提訴。今回はその請求額を拡張してきたもの。拡張後の損害賠償額は、80億8,043万7,640円およびこれに対する遅延損害金となる。

　これを受けて三菱製紙は、「機構との土地売買契約および法令上の土壌汚染対策などの義務をすべて履行した上で土地を引渡しており、当社には何ら責任はなく、また機構には損害が発生していない」とコメントしている。なお、中川工場跡地は三菱製紙が機構に231億8,838万円で売却した後、機構が計718億8,255万円で転売、すでに第三者の所有となっている。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/15号」より