トッパン・フォームズは、ダイレクトマーケティングの専門会社、ニューロ・テクニカと共同で、ダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を、国際医療福祉大学教授・中川雅文氏(医学博士)監修のもと実施した。
この実験では、人がある特定の活動をする時に脳のどの部位が関わっているかを調べる「近赤外光イメージング装置」を使い、DMに接した時の脳の反応を測定。その結果、DMのメディアとしての特性や、他のメディアと比べた優位性など、これまで実証されなかったことが脳の生体反応レベルで判明した。
同じ情報であっても紙媒体(反射光)とディスプレイ(透過光)では、脳は全く違う反応を示し、特に脳内の情報を理解しようとする箇所(前頭前皮質)の反応は、紙媒体の方が強かった。ディスプレイよりも紙媒体の方が情報を理解させるのに優れていることや、DMは連続的に同じテーマで送った方が深く理解されることなどが確認された。写真は、ディスプレイを見た時(上)と紙媒体を見た時(下)の脳の反応。紙媒体を見た時の方が前頭前皮質が強く反応した(被験者6人の合算データ)。
トッパンフォームズでは、今回のデータの分析を進め、そこから得られた知見を今後のダイレクトマーケティング戦略策定に活用していく予定。この実験結果は、同社が7月に名古屋で開催したプライベートショー「IDEA PREVIEW 2013」で紹介された。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/26号」より