印刷機材団体協議会(宮腰巌会長)は去る10月2~5日、国際的な総合印刷機材展「JGAS2013」を東京ビッグサイト東館で開催した。「Print+α プリントメディアの新たな挑戦!」のテーマのもと、229社・団体が合計1,364小間を使い、最新のデジタル印刷機器を中心に新技術・新製品を発表した。出展者数は、6月初旬時点では208社/団体と前回2009年の8割ほどにとどまっていたが、最終的には9割まで持ち直すなど健闘した。
今回は全体として、オフセット方式に代替できる可能性を秘めたデジタル印刷機と、その周辺機器の提案が目に付いた。可変情報印刷や1部から受注可能な極小ロット対応という、オフセットには真似ができない機能はデジタルならではのセールスポイントの一つ。また完成度の高いデジタル機器の開発には高度な技術力が求められるところから、業種の垣根を越えた企業間の提携も進んでいる。
小森コーポレーションは、コニカミノルタとの技術提携によるインクジェットプリンターを紹介。キヤノンマーケティングジャパンの高速インクジェットプリンターは1時間当たり1,100 ㎡の印刷が可能で、連結子会社オセ社(オランダ)との提携。インクジェット関連機器はこのほか大日本スクリーン製造、リコー、富士フイルムなどが出展した。
一方、ソリューション型の機器提案は近年の大きな流れだが、ホリゾン・インターナショナルは無線綴じの製本機械で効率的なポストプレスを、またミヤコシはタワー型オフ輪による最小スペースと最小損紙の実現、などを提案していた。このほか日本ヒューレット・パッカードのブースでは、数台の機器に売約済みのシールが複数貼られ、印刷業界からの高い評価を感じさせた。
なお期間中の来場者数は3万1,237人(前回は6万9,881人)と、残念ながら目標の5万人を下回った。印刷業界の全般的景況だけでなく、開催日数が前回より1日少なかったこと、期間中の東京地方の天候が恵まれなかったことも、来場者数が伸び悩んだ一因と考えられる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/4号」より