日本タイポグラフィ協会(篠原榮太会長)はこのほど、東京・千代田区の竹尾見本帖本店2階で「日本タイポグラフィ年鑑2014作品展」を開催。一般の部でグランプリに選ばれた髙谷廉氏/細谷百代氏の作品(共同制作)のほか、計10部門のベストワーク作品などを展示した。同協会は、前身の日本レタリング協会時代も含め、今年で50周年。また、優秀作品をまとめる日本タイポグラフィ年鑑の発行は2014年版で35冊目となる。
2014年版は昨年8月に作品の募集を開始。10月に応募が締め切られた。応募点数は一般の部1,048点、学生の部269点の計1,317点。前年度より約80点増加した。これら応募作品を、会員の互選で選ばれた10名の審査員(工藤強勝審査委員長)と、前年度のグランプリ受賞者がゲスト審査員に加わり厳正に審査。一般の部グランプリ1点、同ベストワーク10点、学生の部グランプリ1点、同ベストワーク1点のほか、合計378点を入選作に選出した。
作品展会期中の5月1日には、一般の部グランプリを受賞した髙谷氏と細谷氏、そして工藤審査委員長、小川航司「年鑑2014」編集長によるスペシャルトークが開催され、デザイン関係者や学生など多数が来場した(写真下)。
グランプリ受賞の2人はグラフィックデザイナーを目指す若い学生たちに向けて、「何でも興味を持ったことを続けていけば、いつか自分の発想、好きなデザインができるようになる。今も私はそうやって作っている」(細谷氏)、「目に映る色や素材、形を十分に観察する。それが発想の源流になって、組み合わせていくヒントにしてきた。そして、苦労をしてほしい。考えることをやめずにいれば、道は絶対に拓ける」(髙谷氏)とエールを送った。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/26号」より