日本通信販売協会はこのほど、“リアル書店”と“ネット書店”の利用実態調査の結果を発表した。調査は全国の10代～60代の男女1,000人を対象に実施したもの。

　これによると、過去1年間で書籍購入に利用したことがあるチャネルは、「リアル書店」が73.7％、「ネット書店」（電子書籍以外）が44.8％だった。年代別で見ると、○10代：リアル書店82.7％/ネット36.0％　○20代：リアル書店78.3％/ネット45.2％　○30代：リアル書店73.1％/ネット38.9％　○40代：リアル書店67.6％/ネット57.7％　○50代：リアル書店63.8％/ネット52.7％　○60代：リアル書店71.0％/ネット39.6％だった。

　全般的にリアル書店を利用する人が多い一方で、40代が“両書店”の利用率の差が最も小さく、また60代のネット書店利用率が10代と30代を上回る結果となったことが興味深い。なお、ネット通販で電子書籍を購入したことがある人は、10代10.6％、20代15.4％、30代12.4％、40代11.2％、50代10.0％、60代8.2％、全体で11.5％だった。また通販利用度別では、通販ヘビーユーザーほど、ネット書店の利用率が高かった。

　購入傾向を書籍ジャンル別で見てみると、リアル書店のトップ3は①ライトノベル（77.4％）、②小説/ノンフィクション（76.0％）、③雑誌（75.6％）だった。一方、ネット書店は①コミックス（59.7％）、②趣味の本（56.1％）、③小説/ノンフィクション（53.7％）。リアル書店では、平積みコーナーに置かれているような流行作品や旬の情報を入手できる雑誌が購入されていることが伺え、またネット書店では、コミックスの続刊のように店頭で内容をチェックする必要がないものや、興味のある分野を深掘りできる書籍の購入に多く利用されていることがわかる。さらに、書籍の特徴別で見ると、リアル書店では初めて買う作家の本や好きな作家の最新刊を購入する傾向があり、ネット書店ではまとめ買いや中古本の購入が多く見られた。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future2/16号」より