理文造紙有限公司の株式を追加売却
日本製紙は6月1日、中国の段ボール原紙メーカー、理文造紙有限公司(Lee & Man Paper Manufacturing Limited、以下「L&M社」)の株式を、L&M社の創業家一族に一部売却した。保有株式のうち2億株(発行株式総数の4.3%)を8億香港㌦で売却したもの。
日本製紙は既に4月、L&M社との業務提携解消に伴い、日本製紙が保有するL&M社の株式の一部を創業家一族に売却しているが、創業家一族から追加取得の要望があったため、今回の売却となった。日本製紙は、「(株式売却後も)L&M社が中国における紙パルプ事業のベストパートナーであることには変わりはない」としている。
これに伴い日本製紙は、2016年3月期第1四半期で売却益約41億円を特別利益として計上する。既売却分を合わせると、特別利益は計約106億円となる。
<L&M社の概要>
〔代表者〕Lee Man Bun(CEO)
〔事業内容〕段ボール原紙の製造および販売
〔資本金〕1,174億200万香港㌦
〔設立〕2003年5月21日
〔大株主〕Gold Best Holdings Ltd. 54.55%、日本製紙8.62%(5月29日時点)、Lee Man Chun Raymond5.81%、Lee Man Bun2.52%
〔直近の売上高〕▽12年12月期114億2,400万香港㌦▽13年12月期169億7,000万香港㌦▽14年12月期170億9,900万香港㌦
企業グループ理念を明文化
日本製紙は、2015~2017年度を期間とする第5次中期経営計画の策定(本誌6月15日号既報)に合わせ、下記の通り企業グループ理念を明文化した。
【理念(Mission)-社会の中での存在理由・意義-】
日本製紙グループは世界の人々の豊かな暮らしと文化の発展に貢献します
【目指す企業像(Vision)-理念実現のために目標として目指す姿-】
以下の要件を満たす、社会から永続的に必要とされる企業グループ
①事業活動を通じて持続可能な社会の構築に寄与する
②お客様のニーズに的確に応える ③社員が誇りを持って明るく仕事に取り組む
④安定して利益を生み出し社会に還元する
【重視する価値(Value)-理念実現のために社員が重視する価値、判断基準-】
○Challenge ○Fairness ○Teamwork
【スローガン(Slogan)-事業環境を織り込んだ当面の方針-】
「木とともに未来を拓く~日本製紙グループ~」木とともに未来を拓く総合バイオマス企業として、これまでにない新たな価値を創造し続け、真に豊かな暮らしと文化の発展に貢献します
新システム
「洋紙Planet」を構築
また日本製紙は、紙事業の販売強化のため、印刷・情報・産業用紙の注文進捗管理と製品トレーサビリティを向上させる新システム「洋紙Planet」を構築する。
洋紙Planetは、既存の生産・販売・在庫システム「PRIME」と連携させ、注文に対する生産進捗の“見える化”と、バーコード管理によるトレーサビリティ向上を実現する。これにより問合わせへの対応をスピードアップさせる。2016年度から順次導入を進め、17年度までに北海道工場白老事業所、秋田工場、石巻工場、岩国工場、八代工場で運用を開始する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/22号」より