日本紙パルプ商事の連結子会社で構成されるコアレックスグループが、かねて静岡県富士市で建設を進めてきた再生家庭紙の新工場が完成し、このほど営業運転を開始した。
本誌3月2日号で紹介したように、この新工場は、次の三つのテーマとコンセプトに基づいて設計・建設されている。すなわち、
①エネルギー効率の高い最新鋭設備の導入による製品品質の向上と生産の効率化を追求した「生産性」
②グループの三栄レギュレーター東京工場と連携して、極限まで廃棄物を削減する準ゼロエミッション化を図り、環境負荷の低減を実現した「環境性」
③富士市、JR東海などと災害協定を締結、災害時における地域住民や帰宅困難者の避難場所としての機能も兼ね備えた「地域防災性」
このほか地域に対する貢献では、植栽による美観の整備や設備の配置を考慮することによる防音、地域雇用の拡大などにも取り組んでいる。
コアレックスグループでは「今後も、これまで蓄積してきたエンジニアリング技術を最大限に活用し、再生家庭紙メーカーとして高品質の家庭紙製造と高度な紙資源リサイクルを両立させることにより、地球環境の保護と社会貢献に努めていく」と抱負を述べている。
<新工場の概要>
〔事業地〕静岡県富士市中之郷575-1
〔敷地面積〕4万980 ㎡
〔総投資額〕約120億円
〔事業内容〕再生トイレットロールおよびティッシュの製造
〔生産能力〕日産約150t
グループ各社の社名を10月から変更
なお、コアレックスグループでは今年10月1日付でグループ各社の社名を次の通り変更する(現社名→新社名)。
▽三栄レギュレーター㈱→コアレックス三栄㈱▽信栄製紙㈱→コアレックス信栄㈱▽道栄紙業㈱→コアレックス道栄㈱
日本紙パルプ商事では変更の理由について、「“コアレックス”を統一して使用することにより、コアレックスブランドの強化、環境事業会社としての企業姿勢をより明確にするため」と説明している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/24号」より