凸版印刷はこのほど、「外国人旅行者向け消費税免税制度改正」に対応したセット商品向け箱型パッケージを開発した。食品や化粧品など、訪日観光客向けに消耗品を販売するメーカーなどに、7月下旬から本格販売を開始している。

　訪日観光客が増加する中、2014年10月に新免税制度が施行されたのに伴い、百貨店などの小売業界をはじめメーカー各社でも、商品企画や販売企画におけるインバウンド需要への対応の必要性が増している。従来、免税扱いとなる消耗品を販売する際には、各小売店が用意する専用の免税袋への封入・封印が必要だった。そのため、一度に多数の商品を店頭で袋詰めしなければならず、こうしたオペレーション負荷を減らすことが課題となっていた。また、観光客のニーズにマッチした販売手法の検討も求められていた。

　これらのニーズに応えるパッケージとして開発されたのが、今回の「セット商品向け箱型パッケージ」。強度、封印対応、内容物の表示、注意表記などの点で新免税制度の各種要件を満たしていることに加え、メーカーがあらかじめ商品をセットした状態で販売するため、小売店はパッケージに専用のセキュリティテープを貼り付けるだけで客への受け渡しが完了する。これによりレジの円滑化を図ることができ、また免税対象となる5,001円以上のセット商品となるため、メーカーは関連する複数ブランドの商品を組み合わせるなど、販売戦略に沿った効果的な商品開発が可能になる。さらに、パッケージに美粧性の高い表現を用いることにより、ブランド力の訴求や日本文化の発信など、商品価値の向上も期待できる。

　なお、同パッケージはすでに、訪日観光客向けの化粧品パッケージとして採用されている。凸版印刷では、関連受注を含め2017年度に約3億円の売上を目指す。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future8/24号」より