リンテックはこのほど、シール・ラベル用粘着素材の新製品8アイテムを開発、11月から順次販売を開始する。なお、これらの製品は先頃開催された世界最大のラベル関連展示会「LABELEXPO EUROPE2015」に出展された。

　今回、LABELEXPO EUROPEで世界同時発表された新製品は次の8アイテム。

◎撥水撥油ラベル素材…特殊表面コートにより、水や油をはじく粘着フィルム。水・油に対し高い滑落性も発揮する。表面基材には透明PETフィルムを採用。油面用粘着ラベル素材のラミネートフィルムのほか、ヘルメットのバイザー保護用フィルムなどに最適。

◎難燃ラベル素材…粘着剤中に非ハロゲン系の難燃剤を配合したラベル素材。主に難燃性に関する安全規格UL94VTM0の認定を取得している。家電製品、自動車部品関連、航空宇宙関連の各種警告ラベル、識別ラベルなどに最適。

◎薄膜粘着ラベル素材…表面基材、粘着剤の総厚を18μmにまで抑えた薄膜ラベル素材。低塗布量の粘着剤でも高い粘着力を発揮する。1巻当たりの巻き長を長くでき、ラベル自体の軽量化も実現。

◎特殊微粘着ラベル素材…新設計の再剥離・再貼付可能粘着剤を採用し、何度も貼り直せるラベル素材。幅広い用途での利用が可能。

◎非導電性金属蒸着ラベル素材…アルミニウムを使用せずに深いメタリック調の質感を付与した金属蒸着ラベル素材。非導電体のため、レーザープリンタでの印字や電子レンジでの加熱処理に対応。化粧品用ラベルやアイキャッチラベル、装飾用ラベルなどに最適。

◎再生PETフィルム使用ラベル素材…再生PETフィルムを表面基材に使用した環境配慮ラベル素材。表面基材の再生PET樹脂使用比率は80％以上。透明性や加工適性は従来のPETフィルム使用素材と同等（日本では2015年2月に先行発売済み）。

◎易貼付・耐ブリスターラベル素材…エア抜け性に優れ簡単にきれいに貼れて、プラスチック成形品から発生するアウトガスによる浮き・膨れも抑制した新規ラベル素材。2016年1月から本格販売を開始。

　従来タイプのブリスターフリーラベル素材とは異なり、粘着剤面に意図的にクラックを発生させ、かつその形状をコントロールすることでエア抜け性を付与した、画期的な製法が特徴。粘着剤面の凹凸パターンをランダム方向に形成するため、抜き加工時のトラブルが少なく、また剥離紙は通常の平滑タイプのため背割れ加工なども容易。さらに従来品と異なり、粘着剤面の凹凸形状の保持性に優れているため、繰り返し高温環境に置かれても性能の劣化が少ない。表面基材には、一般的なシール・ラベル用途に使いやすいアルミ蒸着PETフィルム、白色PETフィルムの2タイプをラインアップ。

 

オフセット印刷にも対応水をはじく紙『撥水ラップ』

　またリンテックは、高い撥水性を有し雨水などが浸透しにくいホワイトクラフト紙を開発、幅広い用途に適した『撥水ラップ』として、11月2日から全国販売を開始した。

　『撥水ラップ』は、紙に特殊な薬剤を含浸することで高い撥水性を実現した。水が浸透しにくいため、雨にぬれたり、水をこぼしたりしやすい場所でも使用できる。また、従来の撥水紙では難しかったオフセット印刷やレーザープリンタでの印字にも対応し、鉛筆やボールペンなどの筆記適性もある。さらに、封筒メーカーなどが製造ラインで一般的に使用する糊で製袋可能なことも特徴。ナチュラルな優しい手触りで高級感があり、封筒や包装紙のほか、ランチョンマット、地図といった幅広い用途で利用できる。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/16号」より