製紙産業は資源有効利用促進法の施行令で「特定再利用業種」に指定されるとともに、同法判断基準省令で古紙の利用率目標が定められている。この判断基準省令は5年ごとに目標値を見直しており、現行の該当部分は以下のようになっている(要旨)。
「紙の製造事業者は色・強度・吸水性・印刷適性など、紙の品質に対する需要者の要求に対応しつつ、技術的かつ経済的に可能な範囲で、製造する紙の古紙利用率を向上させるものとする。その際、事業者は印刷用紙、情報用紙、包装用紙の古紙利用率が低いことや、紙の種類ごとに異なる古紙利用の状況を勘案するとともに、需要者、国・地方公共団体と協力しつつ、国内で製造される紙の古紙利用率が2015年度までに64%に向上することを目標とする」
省令で定めた期限は今年3月末だが、利用率目標の64%は1年前倒しで2014年度に達成している(15年1~12月では64.3%)。こうした現実の趨勢を踏まえ、経産省は1年ほど前から紙業服飾品課を中心に新たな古紙利用率目標の検討に着手、製紙業界からのヒアリングなども実施して「あと1%ほどの積み上げは可能」との結論を導き出した。
そこで今年4月から適用される省令の改正案では、前出の下線部分が「2020年度までに65%に向上することを目標とする」に改められている。経産省は現在、この改正案に対するパブリックコメントを募集中。意見表明を行う場合は、同省のホームページ(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595116012&&Mode=0)から書式をダウンロードするなどして必要事項を記入のうえ、郵送、ファクシミリ、電子メールで紙業服飾品課宛てに送付する。締切は3月4日(金)17時必着。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/7号」より