王子ホールディングスは、取締役の報酬制度に信託を用いた株式報酬制度を導入する方針を固めた。このほど開催した取締役会で決議し、制度導入に関する議案を6月29日開催の株主総会で付議する。
同社取締役の報酬は、「基本報酬」「賞与」「株式報酬型ストックオプション」で構成されているが、この「株式報酬型ストックオプション」の新規付与を取りやめ、業績連動型株式報酬制度を導入するもの。この制度では、取締役の報酬と同社の業績および株式価値との連動性をより明確化、取締役は株価上昇によるメリットを得られると同時に株価下落によるリスクも負う。取締役報酬と企業業績を連動させることにより、株主と取締役の利害を一致させ、企業価値増大への取締役の貢献意識を高めるのが狙い。
新制度では、王子HDが資金を出して設定する信託が同社株式を取得し、業績・財務指標などの一定基準に応じて各取締役にポイントが付与される。そして付与されるポイント数に相当する同社株式が、信託を通じて各取締役に交付される。取締役への株式交付は、原則として取締役の退任時。王子HDは、各取締役に対して信託期間中の毎年5月末と退任の日に、役位と業績・財務指標などに応じて算定される数のポイントを付与する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/6号」より