凸版印刷(株)(金子眞吾社長)は、マイクロ単位(マイクロ:100万分の1)の微細印刷技術と高精度な位置決め技術の融合によって、4色カラーインキを用いた新しいカラー表現印刷技術を確立した。同技術を使うことで、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ印刷や導電性材料と絶縁性材料の組み合わせによる微細配線回路を活用したセンサー、ウエアラブル端末など、幅広い展開が期待できる。微細印刷技術は導電性材料を用いて配線パターンを形成するなど、プリンテッドエレクトロニクス分野で主に使われている。現在では、線幅70μmの配線パターンが既に実用化されており、さらに微細な30μmを形成する技術も実用化に近づきつつある。これまで凸版印刷ではプリンテッドエレクトロニクス分野で培った微細印刷技術により、導電性材料である銀インキを使用し、線幅10μmの細線を600×600ミリの大きさに形成する印刷技術を確立してきた。さらに、印刷物の線幅や間隔を任意に制御することで、単色での階調表現にも成功している。このたび、凸版印刷は微細印刷技術を絶縁材料である4色のカラーインキへの展開と、インキ組成の最適化で線幅10μm、間隙10μmを形成する技術を確立。そして、その技術を応用し、各色の線幅や間隙を自由に変え、さらに高精度に配置する技術により新しいカラー表現を行うことにも成功した。同技術を用いることで導電性インキに続き、カラーインキにおいても直線・曲線・マイクロ文字・マイクロ記号やマークなどのパターン形成やカラーでの階調表現も可能となった。
PJ web newsより