=紙パの2016年度業績=
本誌前号「R&D情報」で紙流通各社の2016年度業績を取り上げたが、その時点で掲載が間に合わなかった三菱製紙販売(部門別成績)と伊藤忠紙パルプの決算資料を入手したので、以下に概況をまとめておく。以下、単位100万円、( )内は対前年増減率、〈 〉内は前年度の実績値。
●三菱製紙販売
〔2016年度業績〕
売上高 106,233 (△6.0%)
営業益 9
経常益 124
当期益 283 〈△218〉
「情報用紙銘柄の拡販」「新商材の販売底上げ」「海外展開を含めた売上の確保」「M&A・新規投資」の4本柱を掲げて営業活動を展開したが、販売量は前年度比△2.4%で減収となった。当期純利益は株式売却に伴う特別利益もあり、前年度の赤字から黒字転換した。
〇紙…販売量は前年度比△2.5%、販売金額は同△5.9%。印刷用紙の主力である塗工紙は、価格を維持しながら販路の拡大に努めたが、販売量・金額ともに前年度割れ。情報用紙は、感熱紙、NCR紙、フォーム用紙が低調だったものの、PPC用紙はFSC森林認証品が好調で、情報用紙トータルで販売量・金額ともに前年度を上回った。
〇板紙…白板紙は環境対応商品の拡販を全社的に継続した結果、販売量は前年度比+1.2%、販売金額は同+0.9%。
〇パルプ…需要減退、市況軟化の厳しい状況下、販売量は前年度比△8.3%、販売金額は同△16.5%。
〇薬品…需要減、原油・ナフサ関連商品の市況低迷が続く中、輸出や製紙向け以外の販売に注力したが、販売金額は前年度比△6.7%。
〇その他…販売金額は前年度比△7.3%。
●伊藤忠紙パルプ
〔2016年度業績〕
売上高 74,544 (△3.0%)
経常益 1,420 (+7.8%)
当期益 974 (+12.6%)
洋紙・加工製品本部では、印刷用紙の需要減、輸入印刷用紙の競争力低下から、印刷用紙の取扱量が大きく減少したが、輸入PPCならびに物流資材、紙器包材などの取引増により、減収増益となった。
パッケージング本部は、輸出取引が減少したものの、段ボール原紙、段ボール製品の取引が堅調に推移し増収増益となった。
2017年度は、「つつむ」「はこぶ」「つくる」を切り口とする全社横断型取引の具体化、伊藤忠商事およびグループ各社とのシナジーの追求を通して機能の拡充を図る。
=岡山製紙=
業績予想を下方修正
岡山製紙は、3月に公表した2017年5月期個別業績予想を次記の通り下方修正した。単位100万円。
前回 今回 前年実績
売上高 8,400 8,356 8,435
営業益 75 51 267
経常益 100 94 310
当期益 65 64 179
原料古紙価格が、中国などへの輸出価格高騰により、4Qは3Q比で5.7%上昇し、またLNG価格も輸入価格の上昇により10.2%上昇したことなどから、営業利益が前回公表値より30%程度下回る見込み。経常利益は、投資有価証券の受取配当増があったため営業利益より減少幅が小さい。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/24号」より