＝紙パの第1四半期＝

　前号までで紹介した3月決算の企業に続き、12月決算の紙加工企業の2018年12月期第1四半期業績（18年1～3月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率、〈　〉内は前年同期比の実績値。

●コクヨ

〔第1四半期〕

　売上高 88,128 （△1.9％）

　営業益 8,991 （△2.5％）

　経常益 9,161 （△1.2％）

　当期益 7,064 （△12.0％）

〔通期予想〕

　売上高 318,000 （＋0.8％）

　営業益 18,000 （＋2.3％）

　経常益 18,100 （△5.4％）

　当期益 13,800 （△8.0％）

　売上高は、オフィス家具販売は好調だったものの、ストア事業譲渡や、ステーショナリー関連、通販・小売関連の売上減により減収。しかし、売上総利益率は0.8ポイント向上して37.5％となったため、売上総利益は前年同期並みを維持。一方、販管費は増加して（前年同期比＋1.2％）、売上高販管費率は27.3％となった。当期益は、前年同期に繰延税金資産の回収可能性の見直しに伴う法人税の減少があった反動により、減益幅が大きい。

○ステーショナリー関連事業…売上高は前年同期比△4.7％、営業利益は同△12.0％。海外事業は堅調だったが、国内事業の定番品減少、新製品の不振などにより減収減益。

○ファニチャー関連事業…売上高は前年同期比＋0.1％、営業利益は同＋11.7％。売上高は、ストア事業譲渡に伴う減少分をオフィス家具の好調が補い、前年並みとなった。営業利益は、売上総利益の増加に加え、コストダウン推進、商品ミックス改善などにより増益。

○通販・小売関連事業…売上高は前年同期比△1.6％、営業利益は同△16.8％。カウネットは新規顧客獲得の不振により顧客数が減少、またアクタスは一部店舗で改装に伴う閉店期間があったため、減収減益となった。

●ザ・パック

〔第1四半期〕

　売上高 19,877 （△0.3％）

　営業益 1,226 （△12.5％）

　経常益 1,302 （△10.9％）

　当期益 867 （△12.1％）

〔通期予想〕

　売上高 94,000 （＋4.1％）

　営業益 7,400 （＋1.7％）

　経常益 7,700 （＋1.5％）

　当期益 5,400 （＋3.6％）

○紙加工品事業…売上高は前年同期比＋0.4％、営業利益は同△5.9％。うち、主力の紙袋は、国内専門店向けが低調に推移し、売上高は同△2.7％。紙器は食品用パッケージが好調に推移し、さらにｅコマース市場にも積極的に販売を推し進めた結果、売上高は同＋4.8％。段ボールの売上高も、メーカーやｅコマース市場向けが好調で同＋3.2％。印刷は日幸印刷の販売が低調で同△1.4％。

○化成品事業…国内専門店向けが低調だったが、紙おむつ用製品が好調に推移し、売上高は前年同期比＋0.8％、営業利益は同△20.2％。

○その他…売上高は前年同期比△4.5％、営業利益は同△16.6％。

●ダイナパック

〔第1四半期〕

　売上高 12,044 （＋6.9％）

　営業益 △363 〈74〉

　経常益 △274 〈218〉

　当期益 △237 〈112〉

〔通期予想〕

　売上高 52,500 （＋5.5％）

　営業益 1,000 （＋228.9％）

　経常益 1,270 （＋94.0％）

　当期益 950 （△23.7％）

　国内販売量は、段ボールケースは青果物分野、陶磁器・ガラス分野などが堅調に推移したが、シートの販売量が減少したことにより前年同期比＋0.8％の微増にとどまった。利益面は、段ボール原紙価格の大幅な値上がりを受けて製品価格の改定に取り組んだが、原紙値上がり分のすべてをカバーすることはできず、損失計上となった。 海外は、中国が堅調だったが、ベトナム市場では、製品価格の改定に取り組んだものの段ボール原紙価格が依然上昇傾向のため、収益を圧迫した。セグメント別の業績は、包装材関連事業は売上高が前年同期比＋7.4％、セグメント損益が△3億6,500万円、不動産賃貸事業は売上高が前年同期比△0.3％、セグメント利益が同△0.1％。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future６/２６号」より