三菱製紙は、11月末を目途に八戸工場の4号抄紙機を休止する。これにより月産1万t強の減産となる。
国内洋紙事業を取り巻く環境は、情報メディアの電子化に伴う構造的な需要減退、原燃料価格の高騰、物流コストの上昇によって、極めて厳しい状況にある。
三菱製紙はこうした状況を踏まえ、情報用紙分野におけるアライアンス拡大や輸出およびパルプ販売増などに取り組み、主力である八戸工場の稼働率を一定水準維持するとともに、徹底的な合理化やコストダウンを推進しているが、充分な収益を確保するには至っていない。 そのため同社では、需要減少が著しい塗工紙を先行して減産することにより、需要動向に合わせた生産体制の確立と生産効率向上を図るため、主力抄紙機である4号抄紙機の休止を決めたもの。
輸送調整金を導入
また三菱製紙は、製品の輸送距離に応じて輸送費の一部を負担してもらう「輸送調整金」の導入を決めた。対象製品は印刷・情報用紙全般で、9月21日出荷分より適用する。調整金額は、生産工場である八戸工場、高砂工場、OEM先工場を基点とし、配送先の地域別に㎏当たり単価を設定する。
燃料価格の高騰、法改正、ドライバー不足など、物流業界を取り巻く環境は厳しさを増し続けている。三菱製紙でも物流の効率化は図っているものの、当面、輸送コストは上昇を続けると見られており、特に印刷・情報用紙での負担増は顕著。同社はこれまで、輸送コストを製品価格に含めてきたが、継続的な製品輸送力確保のためには、販売先に一部負担してもらう新たな調整金制度の設定が必要と判断したもの。調整金は製品価格と同時に請求し、輸送コスト動向を勘案して半年毎に見直していく予定。
問合せは印刷・情報用紙営業部(電03-5600-1459)まで。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/24号」より