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紙の業界ニュース

2018/10/16

=大王vs.北越 CB訴訟=大王製紙が全面勝訴北越は控訴の方針

 北越紀州製紙(現 北越コーポレーション)が2015年12月に、当時の大王製紙役員らに対して約88億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、9月20日付で下った。東京地裁は北越の全請求を棄却し、大王製紙の全面勝訴となった。北越は直ちに控訴する方針。
 同訴訟は、大王製紙が2015年9月に「2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債」(転換社債、CB)を発行した後、同社の株価が下落し時価総額も大きく減少する事態を招いた結果、筆頭株主である北越紀州製紙が約88億円の損害を被ったとして、大王製紙取締役13名を相手取り、任務懈怠等を理由に賠償を求めていたもの。大王製紙は、「原告(北越)の請求は法的根拠のない不当なもの」として、同社取締役側に補助参加していた。
 今回の判決を受けて、両社は次のようにコメントしている。
■大王製紙「判決は、本件(CB)発行が有利発行にも不公正発行にも該当せず、また当社取締役には何らの善管注意義務違反もないと判断するものであり、当社の主張を全面的に認めるものと言える。原告より控訴された場合には、控訴棄却を求めて引き続き適切に対応する」
■北越コーポレーション「今回の判決は、佐光社長をはじめとする大王製紙経営陣が当社を嫌悪し、当社の持株比率を快く思っていなかったことは認めたものの、結論としては当社の主張が認められず、大変遺憾。判決に従えば、大規模なエクイティ・ファイナンスを行うに当たり、不適切な手法を用いて既存株主に多大な不利益を生じさせたとしても取締役は何ら責任を問われないこととなり、今後、本件発行と同様に不適切なエクイティ・ファイナンスが再び行われて、国内外の投資家の資本市場に対する信頼を根本から揺るがすことになりかねない。したがって、当社は直ちに控訴する方針」
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/15号」より
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