印刷業界でも新型コロナウイルスの感染が広がっている。大日本印刷（5名）、凸版印刷（4名）、共同印刷（2名）が発生状況を発表しているので次記にまとめた。
■大日本印刷（＝DNP）
【4/9発表】榎町工場1名（派遣社員）…4/2に発熱し病院で診察を受け、自宅で療養していたが、症状が改善しないためPCR検査を実施し、4/9に陽性と診断。DNPは保健所の指導のもと対応を進め、感染者の行動範囲を消毒。濃厚接触者については判明次第14日間の自宅待機とし、健康状態を観察する。
【4/10発表】仙台工場1名（グループ会社従業員）…3/28に家族が発熱して病院で診察を受け、以降従業員本人も自宅で待機していたが、3/31に発熱し、その後症状が改善しないためPCR検査を実施し、4/9に陽性と診断。DNPは感染者の行動範囲を消毒。DNP内には濃厚接触者はいないことが判明。
【4/10発表】五反田事業所1名（従業員）、市谷事業所1名（従業員）…4/10に感染が判明。DNPは感染者の行動範囲を消毒。濃厚接触者については判明次第14日間の自宅待機とし、健康状態を観察する。
【4/16発表】榎町工場1名（常駐会社の外部スタッフ）…4/15に判明。DNPは前記までと同様の対応を進めている。
なおDNPは、グループ全体で、社長を本部長とする「中央新型コロナウイルス対策本部」を設置し、対策を講じている。従業員の勤務体制については、製造部門以外はテレワークを基本とし、取引先などとの連絡は、メールや電話、Web会議システムなどを活用。出張は原則禁止。イベントなどは原則中止または延期。製造部門はシフト調整などにより出勤人数を最小限に抑制し、やむを得ず出勤する場合は、時差通勤や自家用車通勤により、人混みを避けた通勤とする。
■凸版印刷
【4/9発表】本社、金子眞吾代取会長…4/8に金子会長の陽性反応が確認された。容態は安定しており医療機関で療養中。4/2以降は出社していない。凸版では3/26以降、原則在宅勤務体制を敷いており、会長の執務フロアも4/3以降の出勤者はおらず、所轄保健所と連携した結果、濃厚接触者の指定はない。当該フロアは、消毒作業が終了し安全を確保した上で使用を再開する。
【4/13発表】小石川ビル1名（業務委託勤務者、60代男性）…4/12に陽性を確認。容体は安定しており、軽症のため自宅療養中。4 /8に体調不良となり、4/10に医療機関で検査した。勤務状況は、4/6に出社したが4/7以降は在宅勤務。濃厚接触者の指定はない。執務エリアは、安全を確保した上で業務を再開する。
【4/17発表】小石川ビル1名（社員、50代男性）…4/16日に陽性を確認。4/2に発熱し、4/15に医療機関で検査。勤務状況は、4/1に出社したが、4/2以降は在宅勤務。濃厚接触者の指定はない。
【4/20発表】本社ビル1名（社員、50代男性）…4/19に陽性を確認。現在、医療機関で療養中。4/9に発熱し、4/18に医療機関で検査。勤務状況は、4/3に出社したが、4/4以降は在宅勤務。濃厚接触者の指定はない。
凸版では、いずれのケースも保健所の判断に従い、必要箇所の消毒などを実施すると同時に、必要に応じて感染者執務エリアの勤務者の自宅待機や健康管理・健康観察などを行っている。
なお全社的な取組みとしては、社長を本部長とする対策本部を設置し、対応を進めている。勤務形態は、製造部門を除く全部門でピークシフト通勤を推奨し、業務内容に応じたテレワークと在宅勤務を実施。このほか、海外出張の原則禁止、国内出張の自粛、会議などの中止・延期、web会議などの活用、イベントの中止・延期などを実施。印刷博物館やTOPPAN HALLなどは休館。
■共同印刷
【4/3発表】小田原工場1名（社員、50代男性）…3/27に発熱し、その後は出社を控えていたが、発熱が続いたためPCR検査を実施し、陽性が確認された。濃厚接触者は確認されていない。
【4/9発表】小田原工場1名（従業員）…4/2の勤務から帰宅後に発熱し出社を控えていたが、その後PCR検査により陽性が確認された。
共同印刷では、小田原工場の操業を4/9～4/16に停止し消毒を実施。また、保健所協力のもと本人の行動履歴と濃厚接触者を調査しているほか、工場全従業員の健康管理、健康観察の徹底を進めている。なお、小田原工場以外での感染者や濃厚接触者は確認されておらず、通常通り業務を行っている。
全社的な取組みとしては、社長を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、グループ全体で対応策を講じている。勤務体制については、テレワークの推奨、時差通勤の推進などを実施。このほか、海外出張の原則禁止、国内出張の自粛、会議などの開催方式見直し（web会議などの活用）・中止・延期、イベントの中止・延期の検討などを実施している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/4号」より
