凸版印刷は、今春発売した新機能パッケージ『チューブなパウチ』をさらに進化させ、その胴部に紙素材を使用した『チューブな紙パウチ』を新たに開発した。2020年度中に食品・トイレタリー・医薬分野への本格販売を開始し、関連受注を含めて10億円の売上げを目指す。
『チューブなパウチ』は、チューブの自立性とパウチの絞り出しやすさを両立させた新機能パッケージ。胴体フィルムの厚みを薄くすることにより、内容物の絞りやすさと同時にプラスチック使用量30%削減を実現した。この環境適性をさらに高めた『チューブな紙パウチ』は、『チューブなパウチ』の機能を維持しながら胴部に紙素材を使用、歯磨き粉などに使用される従来のラミネートチューブと比較して、プラスチック使用量を50%削減できる。また、ヘッド部のプラパーツの見直しにより、プラスチック使用量を65%まで削減することも可能。プラスチック量を少なくしても、紙のコシを活用することで形状もしっかり保持できる。
絞りやすさも特長の一つ。従来のラミネートチューブの胴体厚みが0.3・なのに対し、『チューブな紙パウチ』は0.1・。胴体を封筒状に折り畳む加工を施すことで、握った時の弾力が軽減され、従来のラミネートチューブより中身が絞りやすくなっている。また、注出口のプラスチックパーツを水平に設計することで、内容物を最後まで絞りきれるようにした。
紙ならではの質感や風合いを活かしたデザインプロモーションも可能で、例えば自然派商品に採用すれば、パッケージ全体で商品コンセプトを表現できる。胴部の内側にはバリア性能が非常に高い透明バリアフィルム『GL BARRIER』を使用し、容器全体のフルバリア化を達成。紙仕様ながら、バリア性を要求される食品・化粧品にも適している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/20号」より