東京・北区の紙の博物館（https://papermuseum.jp）は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催を延期していた創立70周年記念企画展「金唐革紙（きんからかわし）～文明開化を彩った和紙製壁紙～」を、会期を変更して開催中。変更後の会期は6月2日（火）～10月4日（日）。

　金唐革紙は、中世ヨーロッパで王侯貴族の城館の壁、天井などに使われた装飾革である金唐革を、明治初期に和紙で模造した「擬革紙」の一種。壁紙としてヨーロッパへ輸出されたほか、鹿鳴館をはじめ明治期から昭和初期の近代建築の壁などを彩った。昭和中期に、金唐革紙の製法は一時途絶えたが、上田尚（たかし）氏が金唐紙研究所を創設し、紙の博物館所蔵の金唐革紙製作用版木ロールなどを用いて「金唐紙」として復原。現在、上田氏は国選定保存技術者に認定され、各地の重要文化財建造物の金唐紙を製作している。

　企画展では、金唐革紙製作に用いる精緻な彫刻を施した版木ロールや、明治時代に作られた金唐革紙の見本など、紙の博物館所蔵資料を中心に展示するとともに、上田氏が復原・創作した金唐紙作品も紹介している。

【企画展開催概要】▽開館時間：10:00～16:00 （入館は閉館30 分前まで）▽休館：日曜・月曜▽会場：紙の博物館4階企画展示室（東京都北区王子1－1－3 飛鳥山公園内）▽入館料：大人400円、小中高200円（団体割引などあり）

＊現在、予定していたイベントは中止している。当面の間は、休館日の変更や開館時間短縮の可能性があるため、webサイト（https://www.papermuseum.jp）などで確認のうえ来館のこと。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/27号」より