ユポ・コーポレーションはこのほど、合成紙『ユポ』の一部製品に、水性フレキソ印刷の適性が確認されたことを発表した。今後は水性フレキソ印刷を推奨印刷方式として運用していく。
同社はこれまで、実績がなかったため水性フレキソ印刷方式を推奨していなかったが、水性フレキソ印刷の技術的な進歩や市場拡大を受け、印刷会社とインキメーカーの協力のもと印刷品質を検証。その結果、水性フレキソ印刷で高いインキ密着性を保持することが分かり、また、一般的なプラスチックフィルムに必須とされる印刷前の「コロナ放電処理」が不要なことも確認された。これらにより、検証した印刷会社からは「一般的なOPPフィルムよりも水性フレキソ印刷で安定した印刷が施せる基材である」との評価を受けた。
菓子袋などの食品パッケージを製造する場合、一般的なOPPフィルムは単体では製袋性能に乏しいため、印刷後にヒートシール性能を持つフィルムを貼合し製袋工程に進むが、高いヒートシール強度を持つユポグレード(インモールドラベル)なら、印刷後に製袋工程のみで袋が作成可能。
また、飲料ボトルなどの胴巻きラベルでは、一般的なフィルムは透明のため、飲料自体の色がラベルデザインに影響しないよう、ラベル作成時に白インキでベースを印刷する必要があるが、高い隠蔽性を持つユポは、白インキなしで美麗なラベルが作成できる。さらに、PETボトル飲料などでは、ユポのミクロボイド構造を活かして、中身の温度が逃げにくい「保温・保冷ラベル」も作成できる。
水性フレキソ印刷は、少ないインキ量で濃度を出せることから、揮発性有機化合物(VOC)やCO2発生も抑えられ、環境に優しい印刷方式と言われる。近年国内では飲料ラベルや包装資材分野で採用が進んでおり、また北米や欧州でも軟包装材印刷の主流となっている。 ユポ・コーポレーションは今後、水性フレキソ印刷とユポの環境配慮性、食品安全衛生性、機能性を組み合わせ、食品や飲料パッケージなどの軟包装材に用途を広げていく方針。
【ユポの水性フレキソ印刷対応製品】▽ユポグリーンシリーズ アクアユポ(型番:LARG65、95)▽ユポイッパン(型番:FPG60、80、95、110、130、150、200、250、300)▽ユポインモールドラベル(型番:ISF105)
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/9号」より