リコーは、フェノール系化合物を含まない感熱紙の国内販売を来春から開始し、製造・販売するすべての感熱紙を順次フェノールフリー化する。
リコーのサーマル事業は、感熱紙や熱転写リボンを主力にグローバル展開し、高機能な感熱紙市場で高いシェアを獲得している。食品、物流、医療、FA(ファクトリー・オートメーション)などのさまざまな分野で、バーコードなどの可変情報を印刷する媒体として感熱紙を提供してきた。
感熱紙の主原材料であるフェノール系化合物については、これまでも「ビスフェノールA(BPA)」の人体への影響が指摘され、規制対象となっている。また、代替材料として使用されてきた「ビスフェノールS(BPS)」も、同様の懸念が欧州で指摘されている。このためリコーは、今年2月から、欧州向け感熱紙のフェノールフリー化への切り替えを開始しており、今後は国内でも当該製品を提供することとしたもの。
まず最初のステップとして、『リコーサーマルペーパー タイプ150LA-1』や『――135LA-1』などの主力感熱紙をフェノールフリー化し、最終的には全感熱紙をフェノールフリー化する。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/16号」より