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紙の業界ニュース

2021/06/15

決 算

=紙パの2021年3月期・=
 前号に続き、紙パルプ関連各社の2021年3月期(2020年4月~21年3月)決算を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年度比、〈 〉内は前年度の実績値。
【製紙】
■北越コーポレーション
〔2021年3月期〕
 売上高 222,454 (△15.9%)
 営業益 1,701 (△84.8%)
 経常益 9,756 (△37.7%)
 当期益 14,172 (+75.6%)
〔2022年3月期予想〕
 売上高 255,000 (+14.6%)
 営業益 15,000 (+781.4%)
 経常益 20,000 (+105.0%)
 当期益 17,000 (+19.9%)
 新型コロナの影響で大幅な減収減益となった。当期益は、日伯紙パルプ資源開発の全株式譲渡に伴う売却益の計上などにより大幅増益となっている。
○紙パルプ事業…売上高1,988億円(前期2,379億円)、営業利益6.7億円(同93.2億円)。洋紙はコロナ禍で前年を大きく下回った。板紙は、食品向けが堅調だった一方、化粧品、土産物向けが大きく落ち込んだ。特殊紙は、機能紙分野は総じて好調、ファンシーペーパーはカタログ・パンフレット用途が低迷。パルプは価格下落で前年割れ。
○パッケージング・紙加工事業…売上高156億円(前期182億円)、営業利益0.9億円(同4.2億円)。液体容器の形状変更による受注減と、新型コロナの影響で需要が大きく落ち込んだ。
○その他…売上高81億円(前期85億円)、営業利益3.3億円(同8.9億円)。
■特種東海製紙
〔2021年3月期〕
 売上高 76,403 (△5.2%)
 営業益 3,227 (+12.4%)
 経常益 5,970 (+10.8%)
 当期益 5,594 (+51.4%)
〔2022年3月期予想〕
 売上高 81,000 (+6.0%)
 営業益 3,600 (+11.5%)
 経常益 5,000 (△16.3%)
 当期益 3,600 (△35.7%)
 当期益の大幅増益は、投資有価証券の売却益発生などによる。
○産業素材事業…売上高△5.2%、営業利益△2.6%。段原紙とクラフト紙は、日本東海インダストリアルペーパーサプライ向けの売上げが減少。また、水力発電の売電事業が渇水の影響などを受けた。
○特殊素材事業…売上高△14.4%、営業利益+16.5%。特殊印刷用紙は、商業印刷、出版、パッケージ向けの需要が急減。特殊機能紙は、販売量・金額は減少したが、期後半は回復基調。利益は、原燃料価格低下や経費削減により増益。
○生活商品事業…売上高△7.1%、営業利益+57.8%。ペーパータオルは販売量が大幅に増加。トイレットペーパーは業務用が低調で販売量は大幅減。利益は、ペーパータオルの販売増や、原価低減、経費削減により増益。
○環境関連事業…売上高+29.8%、営業利益△41.5%。連結子会社増加で増収。利益は、観光事業の大幅減収などにより減益。
 2022年3月期は、特殊素材事業の海外向け一部製品の売上増加などを想定。ペーパータオルも当期と同水準の売上高を想定。一方、原燃料価格はパルプを中心に値上がりの傾向にあるため、コストの増加を想定した。
【製紙関連】
■レンゴー
〔2021年3月期〕
 売上高 680,714 (△0.4%)
 営業益 39,938 (△3.1%)
 経常益 43,200 (+0.0%)
 当期益 28,599 (+2.9%)
〔2022年3月期予想〕
 売上高 723,000 (+6.2%)
 営業益 42,000 (+5.2%)
 経常益 44,000 (+1.9%)
 当期益 30,000 (+4.9%)
○板紙・紙加工関連事業…売上高△3.8%、営業利益△6.1%。食品や通販、宅配向けに底堅さは見られるが、景気悪化で減収減益。
○軟包装関連事業…売上高+9.7%、営業利益+14.9%。連結子会社の増加に加え、食品向け需要が伸びたことなどにより増収増益。
○重包装関連事業…売上高+1.3%、営業利益+31.7%。連結子会社の増加や固定費削減により増収増益。
○海外関連事業…売上高+9.2%、営業利益△0.7%。連結子会社の増加で増収となったが、新型コロナ拡大に伴う需要低迷の影響で減益。
○その他の事業…売上高△4.0%、営業利益△17.0%。貨物量減少で運送事業の採算が悪化。
 2022年3月期は、世界各国の各種政策効果もあって持ち直しの動きが続き、段ボールは食品や通販・宅配向けが底堅く推移するほか、幅広い分野で回復すると見込んだ。また、板紙・紙加工関連を中心に設備投資を積極化するため減価償却費の増加が見込まれるが、堅調な段ボール需要に加えて、連結子会社の増加もあることから、増収増益となる見通し。
■リンテック
〔2021年3月期〕
 売上高 235,902 (△2.0%)
 営業益 17,030 (+10.3%)
 経常益 16,770 (+15.8%)
 当期益 11,407 (+18.6%)
〔2022年3月期予想〕
 売上高 240,000
 営業益 17,500
 経常益 17,500
 当期益 12,500
 半導体・電子部品関連製品は好調な需要に支えられ順調に推移したものの、コロナ禍の影響を受け総じて低調に推移した。
○印刷材・産業工材関連…売上高△5.5%、営業損益△239百万円(前期928百万円)。シール・ラベル用粘着製品は、食品や通販関連は堅調だったが、医薬やコスメ・トイレタリー関連で需要が減少したため低調に推移。海外は、米国は堅調だったが、中国やアセアン地域は低調。自動車用粘着製品やウインドーフィルムは、3Q以降回復したが前半の落込みをカバーできず大幅減。装飾関連フィルムも低調。
○電子・光学関連…売上高+8.6%、営業利益+31.5%。5G関連やパソコン・スマホなどの需要増加により、半導体関連粘着テープと関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープは好調。光学ディスプレイ関連粘着製品は、前半は需要低迷の影響を受けたが3Qに入り需要が回復し、前年並みとなった。
○洋紙・加工材関連…売上高△14.2%、営業利益△21.8%。洋紙事業部門はカラー封筒用紙、色画用紙、耐油耐水紙など、全般的に低調。加工材事業部門も減収。
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/14号」より
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