丸紅は、資材調達に伴う温室効果ガス(=GHG)排出量の可視化と、環境負荷を考慮したサプライチェーンの最適化を実現するプラットフォームサービスの提供を目指し、大手飲料メーカーと段ボールを対象にした実証実験を開始した。
実証実験は、段ボールサプライヤー各社のGHG排出量を算出し、環境負荷・製品コスト・配送距離などの条件をもとに、最適なサプライヤー選定・調達量のシミュレーションを行うもの。ステークホルダーの数が多く、企業単独では排出量算出が難しいとされるScope3のカテゴリ1、4を対象とし、丸紅が取り組んできた段ボール原紙事業と、幅広い産業における知見を合わせることで、サプライチェーン全体のGHG削減を目指す。また、ライフサイクルアセスメントに豊富な見識を持つ東京都市大学環境学部の伊坪徳宏教授監修のもと、GHGプロトコルに準拠した精度の高いサービスを構築していく。なおScope3とは、GHG排出量のうち、事業者の活動に関連する他社の排出(Scope1・2以外の間接排出)を指し、カテゴリ1は購入した製品・サービス、カテゴリ4は輸送、配送(上流)が該当する。
丸紅は、実証実験を12月末に完了させ、検証結果を踏まえて他社およびその他の調達資材へ展開する予定で、加えて複数企業との共同構築を視野に参画企業を幅広く募り、低炭素化技術やカーボンクレジットの提供など、さらなるサービス向上に取り組んでいく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/6号」より