日本製紙連合会は、8月のパルプ・パルプ材速報と7月の古紙需給統計を発表した。％表記は、特に記載がない限り、正体が前年同月比、斜体が19年同月比。

■パルプ速報（8月）

　製紙パルプ生産量は、前年が大幅減だったため＋20.6％の66.1万tと、5ヵ月連続の増加となったが、2019年同月比は△11.7％。このうちBKPは＋25.3％の54.1万tで5ヵ月連続増（△15.5％）、UKPは＋2.3％の8.1万tで6ヵ月連続増（＋26.0％）。

　製紙パルプ販売は＋12.3％の7.9万tで12ヵ月連続の増加。このうちBKPは、国内販売と輸出が低調だった前年の反動で、＋22.8％の5.8万tと11ヵ月連続の増加。UKPは輸出が低調だったこともあり、△7.8％の2.1万tと4ヵ月ぶりの減少。在庫は前月比＋1.8％の13.4万tで2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は△30.2％で7ヵ月連続の減少、19年同月比は△10.8％だった。このうちBKPは前月比＋4.1％の9.9万tで2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は△37.3％で7ヵ月連続の減少。UKPは前月比△4.5％の3.0万tで4ヵ月連続減、前年同月比は＋5.5％で6ヵ月連続増。

■パルプ材速報（8月）

　パルプ材消費は、パルプの生産増を受けて＋20.1％の126.8万tとなり、5ヵ月連続の増加。前年同月が低水準だったため大幅増となったが、19年同月比は△10.7％と3ヵ月連続の二桁減。うち針葉樹は＋7.3％の38.7万t（△0.4％）、広葉樹は＋26.7％の88.1万t（△14.5％）で、いずれも5ヵ月連続の増加。

　集荷は、＋24.7％の114.1万tで4ヵ月連続の増加（△18.8％）。このうち、国産は＋4.8％の31.1万tで4ヵ月連続の増加（△11.5％）。前年比はプラスだが、2ヵ月連続で前月を下回っており、昨年の最低値に近い水準になっている。国産の内訳は、針葉樹が＋5.8％の23.5万t、広葉樹が＋1.9％の7.6万t。輸入は、＋34.2％の83.1万tで6ヵ月連続の増加（△21.2％）。輸入の内訳は、針葉樹が＋25.8％の11.3万t、広葉樹が＋35.6％の71.7万t。

　在庫は、前月比△8.5％の140.2万tで4ヵ月ぶりの減少。前年同月比は△17.0％、19年同月比も△24.8％と低い水準だが、維持月数は前月から0.1ポイント低下して1.2ヵ月となり、現状の消費レベルとバランスしている。

■古紙需給（7月）

　古紙入荷は＋6.3％の130.9万tで5ヵ月連続の増加。うち新聞古紙は＋3.7％の19.1万tで3ヵ月連続増、段ボール古紙は＋9.6％の77.5万tで11ヵ月連続増。雑誌古紙（18.2万t、＋1.1％）も増加したが、上級古紙（12.1万t、△0.8％）は減少。

　消費は、＋9.1％の139.8万tで4ヵ月連続の増加（△1.0％）。新聞古紙（21.3万t、＋11.1％）が増加したことに加え（△12.0％）、段ボール古紙（81.8万t、＋10.7％、＋5.9％）と雑誌古紙（19.9万t、＋5.2％、＋0.7％）は19年の消費量も上回った。在庫は前月比△15.8％、前年同月比△28.6％の47.2万tと低い水準。輸出は、△25.8％の20.4万tで10ヵ月連続減。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future10/18号」より