資本的にも実質的にも支配─従属関係にある法的に独立した複数の会社から成る企業集団を、経済的な観点から単一の組織体と見なして、その経営成績および財政状態を把握するための決算方法。連結決算により支配会社（親会社）が作成した財務諸表を連結財務諸表といい、個別財務諸表と比べ企業集団の実態をより明確に把握することができる。従来、わが国では個別財務諸表を重視する傾向があり、連結財務諸表が重視されてこなかった。しかし近年、企業規模の拡大や新規事業の分社化に伴い、多数の企業が統一された経営意志・政策の下で事業活動を行う企業集団の形成が一般化してきている。また、海外の投資家は連結決算を重視しており、国際的な金融マーケットで資金調達する際には連結決算の公表が求められてきた。

 そこで、わが国においても証券取引法のディスクロージャー制度の大幅な見直しが行われ、99年4月以後に開始する事業年度から連結決算中心の開示制度になった。投資家は連結決算により算定された業績によって企業を評価することになり、株価もそれに比例することが予想されるため、グループ全体で限られた資源をいかに有効に配分し業績を向上させていくかが、支配会社（親会社）の経営にとっては重要な課題となってくる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　出典：「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社