低光沢でしっとりとした視感・触感のある塗工紙を「マット調」とか「マット系」などという。英語の「mat」=光沢の鈍い、つや消しの、という意味からきている。書籍本文用紙などには光沢のある紙が嫌われるので、一般には非塗工の本文用紙が使われる。しかし、文字と並んでカラー写真や画像などを含む高級書籍では、色彩効果を高めるためにインキ着肉の良好な塗工面が望まれる。マット調の塗工紙は、こうしたニーズに最適で、カラー印刷の再現性に優れながら、文字の可読性も高い。カラー百科辞典、高級書籍用、企業案内など用途は広い。一方、光沢を高めたものを「グロス調」とか「グロス系」という。
出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社