3月19日ロシア政府は輸入コート紙関税を再度15%から5%に引き下げを決定、30日後から施行となり2014年1月19日まで9ケ月間有効となる。対象品目は上質コート紙、LWC及びMedium Weight コート紙で、国内出版業界の促進発展を目指す。今までロシア政府はコート紙輸入関税の暫定的引き下げを数回実施してきたが、国内メーカーのコート紙生産開始の気運が高まり5%の低関税に関しては消極的であった。2012年インベストレスプロム社ペルミ州カマ工場でLWC8.6万㌧が稼働したが財政問題から生産停止となった。イリムグループはアルハンゲリスク州コーリャジュマ工場で2013年6月から中古機で上質コート紙(年産7万㌧)を生産する予定。製紙メーカーでは輸入関税引き上げにより国内コート紙生産を活性化すべきとの声もありが、出版業界では関税5%への引き下げはロシア紙パルプ産業大手のイリムグループの強力な働き掛けによるものとみている。コーリャジュマ工場がたとえ稼働しても精々年産7万㌧以上生産することはなく、欧州で生産過剰や出版用紙需要減が起きており自国で生産設備を建設するより輸入を継続した方が良いとの判断もある。2011年ロシアは出版用途のコート紙を42万㌧輸入した。ロシア政府は2012年WTO加盟時、条件としてコート紙(上質コート及びMedium Weightコート紙)輸入関税を無期限に5%、LWCは2013年1月から15%、その後2014年まで10%に引き下げる旨発表していた。
3月26日付け RISIから抜粋