中国紙器用板紙(アイボリー、コートボール、液体容器用)メーカーは本年400万㌧以上の能力を背景に、世界市場に虎視眈々と製品の氾濫を準備中。RISIは、ブラジルメーカーは国内及びラテンアメリカではコスト競争力があるが、北米、欧州、アフリカ及び中東では競争力に限界がある事を認識しなければならないと指摘。中国では新型マシンが相次いで投入されている。APP広西欽州で120万㌧のアイボリーボードの試運転を実施中、山東博匯は大豊で100万㌧のアイボリーボードを5月、6月に稼働する。これれに対し、ブラジルで最大の紙器用板紙機はKlabin社の35万㌧という現状。2013年に世界市場でブラジルメーカーが中国品と直接的に競合する可能性は大きい。2012年ブラジルの紙器用板紙輸出量は23万㌧。今後ブラジルメーカーは輸出シェアの14%を占めるアフリカ及び中東向け、特にアジア及びオセアニア向けの輸出を危惧しており、中国市場からはみ出た製品が世界市場で価格の下落を誘因することも考えられる。ブラジルは紙器用板紙の関税を2012年末に改正し輸入税を14%から25%に引き上げた。某中国メーカーは14%の関税だったら十分競争は可能との言。中国のコスト水準は欧州と同等だが、ラテンアメリカや北米より大幅に高い。2012年のブラジル紙器用板紙輸入実績は統計上4.4万㌧だが、ブラジルでは教育用途目的の輸入関税は無税となる為、輸入時に教育用途の上質コートで通関されているケースもあり、実態は10万㌧程度と見込まれる。
4月16日付け PPI Latin Americaから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ