王子ホールディングスは、医薬品の開発と製造販売を目的とする新会社「王子ファーマ㈱」を設立した。木質主要成分の1つ「ヘミセルロース」を原料とした有効成分「硫酸化ヘミセルロース」(=PPS)を、医薬品として製品化することを目指す。
PPSは、広葉樹から生産される高分子硫酸化多糖。王子は、大学や製薬会社との共同研究によって血液凝固阻止作用、抗炎症作用および保湿作用などの新たな知見を得ており、今後は、これらの特長を発揮できる疾患領域をターゲットに研究開発を加速させる考え。特に、血液凝固阻止の医薬品開発に関しては、木質由来であることから「ウイルス感染リスクの低減」や「宗教的な使用制限に対する配慮」が可能となり、現在の主流である豚由来の血液凝固阻止剤「ヘパリン」の代替として期待している。
【新会社の概要】▽代表取締役:横山勝▽事業内容:医療用医薬品などの開発・製造販売▽所在地:東京都中央区銀座▽設立:2020年4月1日▽資本金:1,000万円(王子ホールディングス100%出資)
マレーシア・南部地区に段ボール新工場を建設
王子グループは、マレーシアのジョホール州に段ボールの新工場を建設する。新工場の敷地面積は約4万2,000・、稼働予定は2022年1月で、段ボール生産能力は約700万・/月。投資総額は約40億円。王子グループ100%出資の現地法人 United Kotak Berhadの工場となる。
王子が進める事業構造転換の中で、海外事業の拡充は大きな柱の一つ。マレーシアには8ヵ所(北部3ヵ所、中部3ヵ所、南部2ヵ所)の段ボール工場を持ち、昨年は中部地区2ヵ所で生産能力を倍増した。今回の建設地は、需要の伸びが期待される南部地区であり、これにより一層の事業拡大を図る。
なお、王子グループの東南アジア・インド地域における段ボール製造拠点は、今回の新工場を加え26ヵ所となる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/24号」より