長期的に減少傾向にある上質紙市場に対応するべく、北米及び欧州の製紙工場は過去十年間に合併、買収や工場閉鎖等の整理統合を続けてきた。市場占有率を増加する為、今までに中国などは競って新規大型機械設置を実施してきたが、北米や欧州成熟市場の製紙メーカーはキャッシュフロー不足による工場停止を避けるべく早めに自発的に需給バランス調整すべく工場閉鎖等で対応している。上質紙市場の世界の生産能力集中度(シェア)は正確には把握不可能。製紙大手上位3社(IP, APP,Domtar)の世界シェアは約19%と横ばいで、これにUPM及びMondi社を加えた上位5社のシェアは24%となっている。但し、欧州と北米の地域別事情は異なっており、北米では上位3社(IP,Domter,Boise)のシェアが2000年の51%から2012年65%に上昇。それにGPとGlatfelterの2社を加えた上位5社のシェアは80%に達している。欧州では北米程集中しておらず、上位3社(Portucel, Mondi, Stora Enso)のシェアは2000年の36%から2012年39%、他2社UPMとIPを加えた上位5社のシェアは50%から57%に上昇している。アジアの集中度はそれほど多くなく上位3社(APP,Nippon,Oji)が生産能力の17%を占め、April とHuataiの2社を加えた上位5社のシェアは22%程度。 9月20日付け RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ