テトラパック・グループはこのほど、2015年度のグループ全体の業績を発表した。それによると、2大市場である中国とブラジルの景気減速などを受け、主力の充填包装事業は緩やかな伸びにとどまったが、プロセッシング(食品加工処理機器)事業や技術サービス部門が堅調に増加し、通年売上高は前期比+7.5%の119億ユーロとなった。
このうち、最も大きなウェイトを占める充填包装事業の売上高は101億ユーロで、包材の販売個数は前期の1,800億個から1,840億個へと拡大。同社グループは近年、競合他社との製品差別化を強化するため新素材・新型容器の開発に努めているが、2015年度の紙容器売上高はその40%が新型容器の供給によるものだったという。5年前の2010年度と比べると、新型容器の売上げは27%も増加している。
プロセッシング事業の売上高は世界的に拡大し、17億ユーロとなった。とりわけ中華圏ならびに中近東・アフリカ地域では2桁増と高い伸びを見せた。また当期中に行われたポーランドのチーズ製造機器大手、オブラム社の買収は東欧・ロシア地域の需要開拓に貢献した。
このほか、充填包装事業とプロセッシング事業のサービスも含め、テクニカルサービスの売上高は12億ユーロに達し、全売上高に占める割合が10%を超えた。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/20号」より