毎日コミュニケーションズなど専門書・実用書の出版社14社が6月8日、電子書籍の研究と情報交換を進める団体「電子書籍を考える出版社の会」(http://www.ebookpub.jp/)を設立した。電子出版をめぐる動きが活発化している現状を受けて、ビジネス書や文芸書とは異なる特性を持つ専門書・実用書の新たな取引モデルを検討し、最終的には既存書籍と電子書籍、両方の市場拡大を目指す。
6月8日時点の参加企業は、毎日コミュニケーションズ、インプレスジャパン、オーム社、技術評論社、秀和システム、翔泳社、ソーテック社、ソシム、ソフトバンク クリエイティブ、東京地図出版、日刊工業新聞社、ビー・エヌ・エヌ新社、ボーンデジタル、ワークスコーポレーションの14社。今後、賛同企業を募っていく。代表幹事には毎日コミュニケーションズ取締役出版事業本部長の滝口直樹氏が就任した。
設立趣旨の概要は次の通り。
①電子出版は、プラットフォーム提供者や著作権者と出版社間で取引モデルが確立されていない。専門書・実用書はビジネス書や文芸書などとは異なる特性があり、豊富なコンテンツを迅速に提供するためには新たな取引モデルの検討が必要。
②同じ趣旨の組織があれば連携して問題に取り組む。ゴールは、電子出版の促進に向け専門書、実用書出版社がソフトランディングし、既存書籍出版と電子出版市場を合わせて拡大すること。
③電子出版における編集、販売上の問題点について意見交換し、指針を提案する。
今後の活動スケジュールとしては、月例定例会を開催するほか、プラットフォーム提供者や電子出版関係企業との情報交換、分科会(契約・権利分科会、販売研究分科会、技術分科会、電子出版戦略分科会)の運営、関連セミナーの開催などを進めていく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 7/12号」より