政府は6月18日、新たに改定したエネルギー基本計画を閣議決定した。同計画は、エネルギー政策基本法に基づき政府が策定するもので、「安定供給の確保」「環境への適合」「市場原理の活用」という基本方針に則り、エネルギー政策の基本的な方向性を示すもの。2003年の策定後、07年に第一次改定を行っているが、その後のエネルギー需給を取り巻く環境変化を踏まえ、今回の第二次改定に至った。
今回の改定のポイントとしては、まずエネルギー政策の基本である3E(エネルギーセキュリティ、温暖化対策、効率的な供給)に加え、エネルギーを基軸とした経済成長の実現と、エネルギー基本産業構造改革を新たに追加した。
また2030年に向けた目標として、①エネルギー自給率および化石燃料の自主開発比率を倍増、自主エネルギー比率を現状の38%から70%程度まで向上させる ②ゼロ・エミッション電源比率を現状の34%から約70%に引き上げる ③家庭部門からのCO2排出を半減する ④産業部門における世界最高のエネルギー利用効率を維持・強化する ⑤日本企業のエネルギー製品などが国際市場でトップシェアを獲得するを掲げている。
この目標実現のための課題として、○資源確保・安定供給強化に向けた総合的取組みの強化、○自立的かつ環境調和的なエネルギー供給構造の実現、○低炭素型成長を可能とするエネルギー需要構造の実現、○新たなエネルギー社会の実現、○革新的なエネルギー技術の開発・普及拡大、○エネルギー・環境分野における国際展開の推進と国際協力の強化、○エネルギー産業構造の改革に向けた相互理解の促進と人材育成、○地方公共団体、事業者、非営利組織の役割分担明確化、○国民の努力などを挙げている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 7/12号」より