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紙の業界ニュース

2011/05/27

=決算=

=日本製紙グループ本社=
震災損失は約630億円
 日本製紙グループ本社は、東日本大震災による損失が算定中だっため、4月25日付で発表した業績予想では最終損益を未定としていたが、このほど算定結果がまとまった。
 それによると、震災に伴う特別損失は約630億円。内訳は、棚卸資産の評価損などが約120億円、固定資産の原状回復費用などが約455億円で、その他は操業休止期間中の固定費や工場の復旧対策費用など。新たに発表された業績予想は次の通り(連結ベース。単位100万円)。
〔業績予想〕 11/2発表 今回
 売上高 1,120,000 1,099,000 
 営業益 35,000 35,000 
 経常益 30,000 31,000 
 当期益 15,000 ▲24,500

=紙パの2011年3月期決算=
後半に減速感広がり
震災でさらに不透明に
 紙パ企業の2011年3月期決算(10年4月~11年3月)の発表が始まった。
 11年度は、前半はエコカー減税やエコポイントといった景気刺激策に加え、輸出の増加もあって回復ムードが漂った。しかし後半は、円高の長期化や経済対策の縮小、原燃料高が重なり、減速感が広がった。市況の軟化もあって不透明感を拭えずにいたところに起こったのが、年度末の東日本大震災。震災による経済損失の全貌はまだ見えないが、生産設備の損壊など、紙パ企業で直接的な損失が大きかったのは、日本製紙グループと三菱製紙。一方、全事業が好調で過去最高業績を記録したリンテックは、震災被害も軽微だった。
 品種別で見ると、段ボールなどの産業用途が堅調だったのに対し、洋紙は好材料に乏しく需要縮小が既定路線になっている。
 次期見通しについては各社とも、震災の影響が不透明なため予測は非常に難しい、とした上で公表している。以下、連結ベース、単位100万円、カッコ内は前年度比。
●王子製紙
〔11年3月期業績〕
 売上高 1,180,131 (+2.9%)
 営業益  65,441 (▲11.2%)
 経常益  60,245 (▲6.9%)
 当期益  24,619 (▲1.1%)
〔次期予想〕
 売上高 1,250,000 (+5.9%)
 営業益  62,000 (▲5.3%)
 経常益  57,000 (▲5.4%)
 当期益  28,000 (+13.7%)
 洋紙需要が低調に推移する中、同社ではアジア需要の取り込みなど、事業構造の転換を図っている。震災関連では、製品在庫や工場建物の一部に被害を受け、災害損失として約50億円を計上した。主な品種別の販売状況は次の通り。
○板紙…段ボール原紙は、青果物向けが減少したが、工業製品・飲料関係が堅調だったため微増。白板紙は、特板が若干増加したが、高板とコート白ボールは微減。
○包装用紙…下期は低調だったものの上期に需要増があったため、年間では前年を上回った。輸出はアジア向けが堅調に推移し増加。
○一般洋紙…新聞用紙は新聞各社の部数・頁数減により減少し、輸出も減少。印刷用紙は出版・商業印刷の需要減により、塗工紙を中心に低調に推移。輸出は、塗工紙を中心にアジア向けが増加。
○段ボール…夏場の猛暑による飲料関係の増加、電機向けの回復などにより微増。
○その他…ティシュ・トイレットペーパーは減少。紙おむつは、ベビー用はパンツ型が増加し、テープ型が減少。大人用は尿取りパッドが減少。
●レンゴー
〔11年3月期業績〕
 売上高 474,878 (+3.8%)
 営業益 32,391 (▲4.0%)
 経常益 31,189 (▲0.6%)
 当期益 10,291 (▲39.4%)
〔次期予想〕
 売上高 490,000 (+3.2%)
 営業益 31,000 (▲4.3%)
 経常益 30,000 (▲3.8%)
 当期益 16,000 (+55.5%)
 板紙需要の増加により売上高は過去最高額を更新したが、当期純利益は公表済みの投資有価証券評価損と震災損失39億5,300万円の計上により、大幅減益。主な事業の状況は次の通り。
○板紙・紙加工関連…増収ながら、原燃料高の影響が大きく、営業利益は前年を下回った。
○軟包装関連…原燃料高によるコストアップはあったが、売上高、営業利益ともに前年比プラス。
○重包装関連…前会計年度2Qから加わった日本マタイの業績が寄与し、大幅増収増益。
○海外関連…日本マタイグループの海外子会社の業績が寄与し増収となったが、中国の段ボール子会社で主材料の板紙価格が高騰したため減益となった。
●大王製紙
〔11年3月期業績〕
 売上高 410,159 (▲3.1%)
 営業益 13,227 (▲41.9%)
 経常益 5,515 (▲60.2%)
 当期益 ▲6,092 ( - )
〔次期予想〕
 売上高 428,000 (+4.3%)
 営業益 14,300 (+8.1%)
 経常益 6,500 (+17.8%)
 当期益 1,000 ( - )
 当期は高付加価値商品の開発・拡販を推進し、生産効率向上やコスト削減により、収益力強化を図った。セグメント別の概況は次の通り。
○紙・板紙…新聞用紙、印刷用紙は販売量・金額ともに前年割れ。段ボールは、青果物関係の需要が軟調だったが、エコカー補助金やエコポイント効果により個人消費が持ち直し、販売量・金額ともに前年を上回った。
○ホーム&パーソナルケア…ティシュは、保湿タイプが伸びたが汎用品の価格下落の影響で、全体では販売量・金額ともに前年割れ。ベビー用紙おむつはスイミング・水遊び用が堅調に推移し、販売量・金額ともに前年を上回った。大人用紙おむつも尿とりパッドの新製品投入などにより、販売量・金額ともに前年比プラス。生理用ナプキン・軽失禁分野は、販売量は前年を上回ったが、価格下落の影響で金額は前年並みだった。
●北越紀州製紙
〔11年3月期業績〕
 売上高 217,013 (+11.9%)
 営業益 8,743 (▲11.6%)
 経常益 10,282 (+7.4%)
 当期益 5,431 (▲25.0%)
〔次期予想〕
 売上高 230,000 (+6.0%)
 営業益 10,500 (+20.1%)
 経常益 13,000 (+26.4%)
 当期益 7,000 (+28.9%)
 震災による災害損失として約15億円を計上したが、早期復旧により売上高、営業利益、経常利益への影響は比較的軽微だった。売上高は輸出強化に取り組んだ結果、大幅に増販し、また紀州製紙が年間を通して連結対象になったこともあり、2桁の増収となった。主な事業の業績は次の通り。
○紙パルプ…洋紙を中心とした輸出の増加や、紀州製紙が通期連結対象となったことにより増収。損益面は、市況下落や原燃料価格の上昇により減益となった。
○パッケージング・紙加工…㈱ビーエフが通期連結対象となったことなどにより増収。損益も、円高で原材料価格が下がったこともあり増益となった。
●リンテック
〔11年3月期業績〕
 売上高 212,733 (+12.4%)
 営業益 20,889 (+80.4%)
 経常益 19,520 (+72.7%)
 当期益 13,622 (+87.0%)
〔次期予想〕
 売上高 220,000 (+3.4%)
 営業益 20,000 (▲4.3%)
 経常益 19,000 (▲2.7%)
 当期益 13,100 (▲3.8%)
 エコポイントなどの景気刺激策や輸出の好調を背景に、売上高・利益ともに過去最高を記録した。東日本大震災による被害も軽微で、業績への影響は特になかった。セグメント別の概況は次の通り。
○印刷材・産業工材…印刷・情報材は国内では堅調に、中国・東南アジアでは好調に推移した。産業工材事業は、太陽電池用バックシートが大幅に伸長した。
○電子・光学関連…半導体関連装置および半導体関連粘着製品が大幅に伸長した。
○洋紙・加工材関連…洋紙事業は、主力の封筒用紙が減少したが、工業用特殊紙の需要回復もあり、堅調に推移。
○加工材…主力の剥離紙や光学関連用剥離フィルムの堅調に加え、合成皮革用や炭素繊維プリプレグ用の工程紙が好調だった。
●三菱製紙
〔11年3月期業績〕
 売上高 210,846 (▲4.0%)
 営業益 3,477 (▲18.2%)
 経常益 2,116 (▲20.4%)
 当期益 ▲14,497( - )
〔次期予想〕
 売上高 200,000 (▲5.1%)
 営業益 3,000 (▲13.7%)
 経常益 1,000 (▲52.7%)
 当期益 ▲3,000 ( - )
 当期はコスト低減、効率生産体制の構築、高付加価値化の推進に重点を置いてきたが、先の震災で東北の3拠点、特に八戸工場が甚大な被害を受け、業績にも影を落とした。紙・パルプ事業については、主力の印刷用紙が商印向けを中心に回復基調にあったものの、輸入紙の影響で市況は弱含みで推移。また八戸工場の操業停止も販売金額減少に影響している。I&D事業は、販売量は増加したが、写真用原紙・印画紙は世界的な市場縮小から減少傾向のまま推移。損益面では、生産性向上や固定費削減などの増益要因はあったものの、印刷用紙価格の下落や、原燃料価格の高騰などから、営業利益、経常利益とも減益。また震災損失133億1,400万円を計上したことなどにより、最終損益は赤字となった。次期見通しについては、上期は震災による操業度低下の影響を大きく受けるが、下期にはフル生産の体制が整うとしている。
●中越パルプ工業
〔11年3月期業績〕
 売上高 103,798 (+3.4%)
 営業益 2,127 (▲12.1%)
 経常益 1,698 (▲2.5%)
 当期益 317 ( - )
〔次期予想〕
 売上高 102,000 (▲1.7%)
 営業益 1,400 (▲34.2%)
 経常益 1,000 (▲41.1%)
 当期益 200 (▲36.9%)
 当期は減産下での最適生産体制の構築、エネルギー原単位の改善などに取り組んだが、需要の低調や市況の弱含みの影響を受け、コスト削減効果を十分に出せなかった。品種別の業績は次の通り。
○一般洋紙…新聞用紙は部数減と頁数減の影響により減少した。印刷情報用紙はエコポイントに伴うパンフレットなどの需要増などがあり回復の兆しが見られたが、価格は弱含みで推移。
○包装用紙…数量は微増だが、価格は若干の弱含み。
○特殊紙・板紙、加工品…数量は微増、価格は横バイで推移した。
●特種東海製紙
〔11年3月期業績〕
 売上高 79,363 (+1.7%)
 営業益 3,839 (▲11.4%)
 経常益 3,750 (▲6.5%)
 当期益 839 (▲53.1%)
〔次期予想〕
 売上高 80,000 (+0.8%)
 営業益 3,100 (▲19.3%)
 経常益 3,000 (▲20.0%)
 当期益 1,400 (+66.7%)
 当期は、原価低減活動や生産効率改善を推進し、収益確保に努めた。東日本大震災による直接的な被害は軽微にとどまっている。事業別の概況は次の通り。
○産業素材…段ボール原紙で飲料関連の需要増などがあったが、3Q以降は原燃料価格の上昇などが収益圧迫要因となった。
○特殊素材…特殊機能紙は前年を上回った。特殊印刷用紙の主力のファンシーペーパーと高級印刷紙は、期初に回復傾向を示したものの、2Q以降は状況が厳しくなり、年度末の需要期も震災の影響を受けて受注が減少、前年を下回った。
○生活商品事業…主力のペーパータオルは減収、ラミネート加工を中心とした紙加工事業は増収となった。トイレットペーパーは、需要は堅調だったものの価格が期央から下落した。
 
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future 5/30号」より
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