前号に続き各団体における定時総会の模様を、代表者の挨拶を中心に要約して紹介する。
■友和会
東京都紙商の親睦団体である友和会は5月31日、紙商健保会館で2022年度の定時総会を開催した。開催に先立ち、藤井賢一郎幹事長(日本紙パルプ商事)が次のように述べた。
「本年度の運営状況については、コロナ禍で開催できなかった各種イベントが再開されるなど、徐々にではあるが復活することができた。一方、2024年8月に創立100周年を迎える当会の記念式典ならびに記念行事について議論してきた。来年8月には、関係者にお集まりいただいて記念式典の開催、10月には友和会の会員向けに銀座王子ホールを貸し切っての記念コンサート開催を予定している。引き続き100周年開催の記念行事について詰めていく考えだ」
議案は第1号~第3号が審議され、すべて承認・可決された。
■全日本紙製品工業組合
5月31日、都内で第59回通常総会/特別講演会を開催した。開催に先立ち、リモートでの参加となった黒田章裕理事長から「最近の株価の動きに絡み、日本企業への投資の大半が外国人投資家だという話を聞いた。国内はコロナの影響からか、各業態で人手不足が散見される。これからの事業継続に当たり、コロナ前とコロナ後ではどこか大きく違っていく面が出てくると思う。今後は投資をしても売上げが増えず、横ばいという状況も続くとみられる。これまでお客様が必要とされるものを提供することに取り組んできたが、今後はそれだけでは日本企業に投資してもらうことはできない。先進諸国の中でも、新製品が売れないのは日本だけだという話も聞く。日本企業への投資が進むよう、われわれも企業努力をする必要がある」と述べた。
総会では、提出された第1号~第6号議案のうち、第3号議案「任期満了による理事、監事選任の件」において、一部の理事・監事を除き重任となった。また6議案は審議ののち、すべて承認を得た。
〔理事・監事(新任・昇任)〕▽常任理事(新任)・山田樹孝〈寿堂紙製品工業〉▽理事(昇任)・大井潤一郎〈エヌビー社〉▽監事(新任)・〓木邦達〈〓春堂〉
通常総会後は、全盲では日本で3人目となる弁護士となった、大胡田誠氏を招聘し、「困難を抱えたすべての人へ」と題した特別講演会が行われた。
■日本洋紙板紙卸商業組合
6月7日(水)、ホテルニューオータニ(東京)において、第38回通常総会並びに全国大会が開催された。開会に先立ち、柏原孫左衛門理事長(柏原紙商事)が登壇し挨拶を行った。引き続き、柏原理事長が議長役を務め、第1号~第8号議案の審議を行い、すべて承認・可決された。
また、叙勲褒賞等受章者への記念品贈呈があり、藍綬褒賞を受章した柏原理事長と、旭日双光章を受章した實守敏訓・實守紙業代取社長がそれぞれ登壇し、清家義雄副理事長(平和紙業)より記念品が贈呈された。その後、22年度業務活動について、塩澤好久(シオザワ)・経営強化サポート委員会委員長と大辻智・市場改善委員会委員長から報告があった。
引き続き研修会が開催され、「繋ごう 紙未来ディスカッション~残る紙、伸びる紙、残したい紙」と題して、パネリストに島田和人・日本製紙執行役員印刷用紙営業本部長、坂口広史・国際紙パルプ商事マーケティング室長、篠原慶丞・篠原紙工CEO/ディレクターを招き、コーディネーターを塩澤委員長が務め、約1時間半にわたり熱い討論が繰り広げられた。
講演会(WEB講演)では、斎藤幸平・東京大学大学院総合文化研究科・准教授が「ポストコロナ時代の新しい社会のあり方~脱成長コミュニズムへの変換」をテーマに1時間超に及ぶ含蓄ある講演を行った。4時間以上にわたる総会・全国大会は、柏原理事長の大会総括で締めくくられた。
なお、今回の役員(補欠員)選任で選出された役員は次記の通り。
〔理事=6月7日〕▽理事(新任)・上村謙〈光陽社〉▽専務理事・木村康弘(事務局長)
〔退任=6月7日〕▽川地憲一(専務理事)
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/26号」より