大王製紙はこのほど、全国の犬猫オーナー600名を対象に、「ペットとの向き合い方・共生に関する意識調査」を実施した。同社は昨秋、ペット用品ブランド『エリエールPet キミおもい』を立ち上げている。
　調査の結果、「ペットとの共生社会における環境・制度の現状」について、ペットオーナーの60.4％が「進んでいるとは言えない」と感じていることが分かった。そしてペットとの共生のために足りないこととしては、「法律」（52.3％）や「公的なインフラの整備」（48.2％）だけでなく、「ペットに対する社会的な理解」（50.4％）、「ペットオーナーのマナー」（51.2％）も課題として挙げられた。
　またペットと暮らす際には、事前に情報を調べて準備はするものの、4人に1人が「ペットが満足しているか不安」（26.3％）と思っていることが分かった。調査では、90.8％のオーナーがペットの気持ちを「今より知りたい、分かってあげたい」と思っている一方で、ペットの行動や習性を「理解できているとは言い切れない」オーナーが4割以上という結果が出た。
　ペットがただの愛玩動物ではなく、“家族の一員”と言える存在となる中、6月には改正動物愛護法が完全施行される。大王製紙は、北里大学と共同研究を行い、ペットが自然な状態で健康・快適に暮らせるよう、ペット視点での商品開発を行っている。今回の調査結果を受けて、獣医動物行動学の専門家で獣医師の藤井仁美氏は、「飼い主がペットの気持ちを理解するための第一歩は、ペットの行動について知識を深めること、ペットの発信するサインや行動を読み取ってあげることが大切」とコメント。これに共鳴した『エリエールPet キミおもい』は、“動物の発するサインを観察し、その意味を理解しながら飼育する”という考え方を「傾聴飼育」と名付けた。今後は「その実践方法を広く伝える活動を行っていく」としている。

株式会社　紙業タイムス社　「Future5/6号」より