日本製紙と日本テトラパックはこのほど、紙パックリサイクルで協業することに合意した。 飲料用紙容器のリサイクル率向上に向け、検討と取組みを幅広く行っていく。
主要原料が紙である紙パックは、元来が再生可能なバイオマスを素材としたものであり、世界的な課題である環境問題への対応という観点からは、焼却時に発生するCO2はもともと木が大気中から吸収した炭素由来のため、大気中のCO2は増えないとみなすことができ、環境にやさしい製品と言える。
一方で、こうした紙パックにとっても、原単位をさらに削減し、使用資源を抑制していくことが求められていると同時に、リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへの転換による環境負荷軽減は、紙パック製造事業者にとって共通の責務。日本製紙と日本テトラパックは、半世紀以上にわたり日本の紙パック市場を牽引してきたリーディングカンパニーであり、両社は、協業することで紙パックの価値を高め、紙パックのリサイクル率向上を図ることで同分野におけるサーキュラーエコノミーを確固たるものにしていく考え。紙パックに使用される各素材の活用方途については今後、具体的に発表する予定だが、方向性は次記の通り。
①日本が世界に誇れる分別回収システムを活用すべく、BKP(晒クラフトパルプ)100%を配合した原紙を継続して採用し、使用済み紙パックの高付加価値リサイクルを推進
②原紙以外の副構成物(樹脂、アルミ箔など)に関する産業用途でのリサイクルを推進
③紙パックリサイクルにおける積極的なPR活動
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/15号」より