日本航空(=JAL)、日本製紙、東罐興業の3社は、飛行機内で分別回収した使用済み飲料用紙コップを新たな紙コップに再生する「紙コップ to 紙コップ」の水平リサイクルを実現した。使用済みの紙コップを回収して再資源化し、新たな紙コップに再生させる資源循環は国内初の取組み(5月7日時点3社調べ)。ここで新たに再生された紙コップ(古紙パルプ配合率25%)は、環境月間の6月の約10日間、羽田発JAL国内線運航便の機内で提供された。
JALグループと日本製紙グループは共同で、2022年12月から機内サービスで使用した紙コップの分別回収とリサイクルを行ってきた。紙コップの回収対象路線は、東京(羽田)=沖縄(那覇)線からスタートし、現在は東京(羽田)=札幌(新千歳)・旭川・福岡・長崎・熊本・鹿児島・沖縄(那覇)線に拡大している。対象は、エアバスA350-900型機・ボーイング767-300ER型機運航便。
回収された紙コップはこれまで段ボールなどの紙製品に再生されていたが、JAL機内での紙コップ分別回収の精度が向上したこと、日本製紙富士工場における食品・飲料用紙容器専用リサイクル設備の新設ができたこと、東罐興業の製造技術が進歩したことによって紙コップ水平リサイクルスキームが確立し、「紙コップ to 紙コップ」の水平リサイクルが実現した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/22号」より