国際紙パルプ商事はこのほど、学研ホールディングスのグループ会社である㈱Gakken、石川県金沢市の板紙メーカー、加賀製紙と協業したクローズドリサイクルを実現した。
書店などから返品された本や回収した段ボール古紙を再資源化し、新たな商品の資材に再生する取組みで、年間180tの古紙が同スキーム内で回収され、再生される予定。
クローズドリサイクルの仕組みは、Gakkenが自社出版物の返本と使用済みの段ボールを回収し、古紙として製紙メーカーへ販売。再製品化された紙素材を、新たな出版物に利用するというもの。古紙と製品の流通・管理を国際紙パルプ商事が担っている。今年1月の取組み開始から6月までに38tの古紙を回収。年間では180tに上る見通し。再生された素材は、上製本の表紙の中芯などに使われる。
この資材が使われた図鑑『学研の図鑑LIVE 動物 新版』は、6月27日から全国で販売されている。
今回のクローズドリサイクルの取組みは、紙の出版物減少に伴って品質的に再利用可能な古紙が減少する中、古紙を長期的かつ安定的に確保することを目的の一つに掲げている。この仕組みにより、Gakkenにとっては資材のトレーサビリティが確保され、回収量・再利用量を具体的な数値で把握できるようになる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/5号」より