日本製紙は、グラフィック用紙事業の生産体制再編と事業構造の転換を目的に、白老工場(北海道)と八代工場(熊本県)の一部生産設備を停機するほか、八代工場では輸出を中心とした家庭紙事業を展開することを決めた。グラフィック用紙の需要減少が加速する中、生産拠点の集約、生産性の向上、GHG排出量削減の一体的な推進、および既存リソースを活かした成長分野の拡大を図る。
白老工場では主に上質紙を生産している8号抄紙機(1968年稼働)を2025年9月末に停機し、残る生産設備ではグラフィック用紙以外の製品拡大を図る。八代工場では、新聞用紙を生産しているN2抄紙機(1998年稼働)を2025年6月末に停機。あわせて石炭専焼の9号ボイラー(1993年稼働)を同年11月末に停機して八代工場での石炭使用量をゼロとし、GHG排出量を削減する。また家庭紙事業については、2027年度を目途に開始する見通し。
今回停機する抄紙機で生産している製品については、引き続き両工場を含めた日本製紙での生産を継続する計画で、また停機設備に係る同社従業員については、原則それぞれの工場拠点内で雇用を継続する予定。両工場の概要は次の通り(下線が停機する抄紙機)。
【白老工場】▽敷地:295万㎡▽従業員:360名▽生産設備:8号抄紙機(64,000t/年、上質紙・晒クラフト紙)、10号抄紙機(72,000t/年、上質紙・感熱紙原紙・パッケージ原紙ほか)、32号塗工機(141,000t/年、塗工印刷用紙ほか)
【八代工場】▽敷地:33万㎡▽従業員:366名▽生産設備:4号抄紙機(35,000t/年、上質紙ほか)、6号抄紙機(68,000t/年、上質紙ほか)、N1抄紙機(140,000t/年、PPC用紙ほか)、N2抄紙機(232,000t/年、新聞用紙)
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/2号」より