=2025年3月期第1四半期③=
前号に続き、紙パ関連各社の2025年3月期第1四半期決算(24年4~6月)を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【製紙関連】
■リンテック
〔第1四半期〕
売上高 76,045 (+16.9%)
営業益 6,435 (+373.7%)
経常益 7,590 (+285.6%)
当期益 5,890 (+435.5%)
〔通期予想〕
売上高 290,000 (+5.0%)
営業益 18,000 (+69.4%)
経常益 18,000 (+56.0%)
当期益 13,000 (+147.9%)
半導体・電子部品関連製品が好調な需要に支えられ売上高が大幅に回復したことに加え、シール・ラベル用粘着製品や加工材関連製品の販売量が増加したこともあり、総じて好調に推移した。
○印刷材・産業工材関連…売上高+10.6%、営業利益1,938百万円(前年同期比+2,140百万円)。販売量の増加や円安効果により増収。利益面は、米国で買収効果により販売量が大幅に増加したこともあり黒字転換した。
○電子・光学関連…売上高+37.0%、営業利益+110.6%。光学ディスプレイ関連粘着製品は低調だったが、半導体・電子部品関連製品の売上高が大幅に回復して増収増益となった。
○洋紙・加工材関連…売上高+9.6%、営業利益339百万円(前年同期比+765百万円)。洋紙事業でカラー封筒用紙の需要が減少したが、加工材事業の販売量が大幅に増加し増収増益。
通期予想は5月公表の前回予想から変更なし。
■巴川コーポレーション
〔第1四半期〕
売上高 8,494 (+2.2%)
営業益 341 (△21.2%)
経常益 528 (△11.0%)
当期益 344 (+0.9%)
〔通期予想〕
売上高 35,000 (+3.9%)
営業益 2,200 (+65.3%)
経常益 2,200 (+33.9%)
当期益 1,000 (+68.3%)
セキュリティメディア事業で当初上期に想定していたコンビカードの販売が下期にずれ込んだほか、半導体実装用テープの売上が、前4Qは値上げ前の一時的需要増があったため、その反動で低調だったものの、円安による海外関連売上高の嵩上げや価格転嫁の取組みもあって増収となった。利益面は、増収効果はあったが、新製品立上げに向けて研究開発費が増えていることに加え、半導体実装用テープで材料の品質異常による評価損の計上により、営業減益となった。
○トナー事業…売上高15.1%、セグメント利益+41.2%。需要回復と円安効果で大幅増益。
○半導体・ディスプレイ関連事業…売上高△3.7%、セグメント利益△41.6%。新製品立上げに伴うコスト発生や、半導体実装用テープでの材料品質異常により大幅減益。
○機能性シート事業…売上高△1.5%、セグメント損失45百万円(前年同期比△43百万円)。価格転嫁やコストダウンに取り組んだものの、コストアップ分を吸収しきれず赤字幅が拡大した。
○セキュリティメディア事業…売上高△13.1%、セグメント利益△48.3%。
○新規開発事業…売上高△23.4%、セグメント損失△166百万円(前年同期比△38百万円)。
○その他の事業…売上高+12.6%、セグメント利益△34.5%。
通期予想は5月公表の前回予想から変更なし。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/16号」より