ニチバンと日本製紙は、粘着テープ製品の製造過程で発生する剥離紙のリサイクルを開始した。
剥離紙は、粘着製品の製造工程や最終製品の粘着剤の保護に用いられ、その基紙にはリサイクルが難しいポリエチレンラミネート紙が使われる場合がある。また、使用済の剥離紙に残留する粘着剤が再生原料に混入することは好ましくないとされており、これらの理由から古紙回収の禁忌品とされていた。そのため、国内で製造される年間約11万tの剥離紙は、そのほとんどが廃棄または熱利用されている。
そこでニチバンは、製造工程の段階で粘着物と剥離紙の分別を徹底し、ポリエチレンラミネート紙からポリエチレンを分別してリサイクルできる技術を持つ日本製紙と共同で独自の収集・運搬スキームを構築、これにより剥離紙を再生紙にリサイクルすることを可能にした。この取組みにより、剥離紙は段ボール原紙に再生され、その一部はニチバン製品の梱包用段ボールに再利用される。
両社の剥離紙リサイクルのスキームでは、ニチバンが分別した剥離紙を、日本製紙グループの日本紙通商が専用ルートで収集・運搬して集積・断裁・破砕・梱包し、ベール状になった剥離紙が日本製紙の工場へ搬入されて段ボール原紙にリサイクルされる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/21号」より