日本紙パルプ商事のグループ会社で、総合リサイクル事業を行うエコポート九州は、廃プラスチックの循環スキーム構築を目指し、九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター、レゾナック、丸紅、三井住友信託銀行と連携協定を締結した。廃プラスチックのマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルのベストミックスによるリサイクルプロセスの構築と早期社会実装を目指す。
九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター、レゾナック、丸紅、三井住友信託銀行の4者は、2024年1月、資源循環型社会の九州モデル構築を目指す共同事業体として、「知の拠点」を形成した。脱炭素社会の構築に向け、プラスチック資源循環促進法が施行される中、「知の拠点」は九州地区初となる地産地消型プロセスの確立のため、廃プラスチックの再生技術として、ケミカルリサイクルを中心とした社会実装を目指している。
一方、エコポート九州は創業以来14年間、機械的手法によるマテリアルリサイクルを中心とした廃プラスチックの再資源化事業を行ってきた。廃プラスチックの高度利用には、雑多な廃プラを適切に分別し、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルに供する技術が不可欠。エコポート九州は、九州一円で排出される廃プラスチックのマテリアルリサイクルの有効活用も視野に入れながら、ケミカルリサイクルプロセスの社会実装を目指す。
具体的には、回収した廃プラスチックをエコポート九州で選別して効率よく資源化したのち、「知の拠点」との連携により廃プラスチックの有機成分を熱分解・油化し、レゾナックが保有する石油化学プラントに投入、基礎化学製品に変換するプロセスを構築する。九州地区の廃プラスチックを、九州圏内で基礎化学製品に変換する地産地消型プロセスを確立していく。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/18号」より