=2025年3月期第2四半期①=
紙パ関連各社の2025年3月期第2四半期決算(24年4~9月)の発表が始まった。今号より順不同で紹介していく。以下、連結ベース、単位100万円、%表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【製紙】
■王子ホールディングス
〔第2四半期〕
売上高 922,887 (+8.9%)
営業益 37,232 (△4.1%)
経常益 39,413 (△22.5%)
当期益 24,227 (△23.4%)
〔通期予想〕
売上高 1,877,000 (+10.7%)
営業益 70,000 (△3.6%)
経常益 73,000 (△15.1%)
当期益 57,000 (+12.2%)
Walki社の連結化や、サイクロンの影響で停止していたニュージーランドのPan Pac社の復旧が進んだことに加え、円安による海外子会社の円貨換算差もあり増収となった。利益面は、物流費や人件費などコスト上昇により減益。経常利益は為替差益の減少も影響した。海外売上高比率は前年同期を6.5ポイント上回る40.9%。
○生活産業資材…売上高+4.8%、営業利益△33.0%。国内事業の白板紙や包装用紙は需要回復により増収、子ども用紙おむつは国内事業撤退により減収、大人用紙おむつは増収。海外事業は、段原紙と段ボール、紙おむつ、いずれも増収。
○機能材…売上高+6.7%、営業利益+53.3%。国内事業の特殊紙、感熱紙のほか、海外事業も増収。
○資源環境ビジネス…売上高+12.0%、営業利益△6.5%。国内事業は、パルプ事業が増収となったがエネルギー事業は減収。海外事業はニュージーランドのPan Pac 社の復旧が進み増収。
○印刷情報メディア…売上高△1.9%、営業利益△42.5%。国内は需要減少で減収。海外は江蘇王子製紙の生産量増加により増収。
通期予想は8月公表の前回予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高△730、営業益△250、経常益△270、当期益△180。2Qまでの実績、需要状況、パルプ市況、原燃料価格、為替動向、政策保有株式縮減の見通しなどを総合的に判断し、下方修正した。
■日本製紙
〔第2四半期〕
売上高 584,539 (+0.1%)
営業益 2,056 (△57.6%)
経常益 1,790 (△69.0%)
当期益 △12,353〈△9,370〉
〔通期予想〕
売上高 1,200,000 (+2.8%)
営業益 23,000 (+33.2%)
経常益 19,000 (+30.6%)
当期益 3,000 (△86.8%)
紙・板紙の需要減少やエネルギー事業の減収はあったが、輸出拡販や円安などにより売上高は前年同期並み。営業利益は、人件費・物流費が上昇したほか、米国子会社のNDP社で大規模なメンテナンス休転を行ったため減益となった。当期益は、白老工場と八代工場の一部生産設備の停機決定などに伴う減損損失6,490百万円や、Opal社の特別退職金など事業構造改善費用4,147百万円を特別損失に計上し赤字となった。
○紙・板紙事業…売上高△1.1%、営業利益△8.8%。新聞用紙、印刷・情報用紙、板紙いずれも国内販売量が減少。
○生活関連事業…売上高+2.8%、営業損失△9,134百万円(前年同期比△4,118百万円)。家庭紙は業務用品の需要回復などにより増収。液体用紙容器は販売量が減少。溶解パルプは増収。海外事業は減収。
○エネルギー事業…売上高△12.5%、営業利益+659.2%。メンテナンス休転の増加や、石炭価格下落に伴う販売電力価格低下により減収。
○木材・建材・土木建設関連事業…売上高+4.0%、営業利益△22.2%。燃料チップの需要増加などにより増収。
通期予想は5月公表の業績予想から変更なし。
■大王製紙
〔第2四半期〕
売上高 333,650 (+0.7%)
営業益 3,708 (△50.1%)
経常益 870 (△83.9%)
当期益 △3,467 〈3,926〉
〔通期予想〕
売上高 680,000 (+1.2%)
営業益 11,500 (△20.0%)
経常益 5,000 (△48.0%)
当期益 0 (△100.0%)
売上高は増加したが、営業・経常益は、低調の紙・板紙事業をホーム&パーソナルケア事業でカバーできず減益。当期益は、前年同期には政策保有株式の売却益や受取保険金などの計上があったため、その反動で減益。
○紙・板紙…売上高△0.4%、セグメント利益△69.9%。新聞用紙は販売量・売上高ともに減少。洋紙は内需は減少も輸出の増加により販売量が増加し、売上高は前年同期並み。包装用紙は販売量・売上高ともに増加。板紙・段ボールは国内需要が低迷し、輸出も販売量・売上高ともに減少。利益は、原燃料価格の上昇、修繕費などの固定費増加の影響もあり減益。
○ホーム&パーソナルケア…売上高+3.1%、セグメント損失△162百万円(前年同期比+2,481百万円)。国内事業の衛生用紙は販売量減少も金額は横ばい。ベビーケアは販売量が減少したが金額は増加。ヘルスケアは販売量・金額ともに増加。フェミニンケアは販売量減少、金額増加。全体的には、付加価値品の拡販に加えて価格改定の浸透もあり、増収となった。海外事業も増収で、ブラジルは好調、中国はフェミニンケアが伸長もベビーケアは回復途上、タイはベビーケアとフェミニンケアが牽引。
○その他…売上高△11.4%、セグメント利益△15.7%。
通期予想は前回予想を修正した。修正額(単位100万円)は、売上高△20,000、営業益△3,500、経常益△2,000、当期益△1,000。