＝大王製紙＝
中国子会社の工場を売却

　大王製紙は、中国の連結子会社、大王（南通）生活用品有限公司（＝EICN）の第一工場を、杭州豪悦護理用品股〓有限公司（＝豪悦社）に2億6,600万元（約58億円）で売却する。所有権移転日は6月30日の予定。なお売却に伴い、特別損失として譲渡損1億8,500万元（約40億円）が発生する見込み。
　EICNは、ベビー用紙おむつを生産する南通西区（第一工場）と生理用品を生産する同東区（第二工場）を持ち、今回売却するのは南通西区（第一工場）の土地、建屋、生産設備のすべて。今後、ベビー用紙おむつは外部に生産委託して販売を継続し、伸長している生理用品は南通東区（第二工場）で生産･販売を継続する。
　EICNは中国でベビー用紙おむつや生理用品を生産・販売してきたが、中国のベビー用紙おむつ市場は少子化の進行と現地メーカーの台頭で競争が激化しており、大王製紙は事業ポートフォリオの見直しを検討していた。H&PC海外事業の再構築を進めており、中国事業については、ベビー用紙おむつの固定資産を売却して生理用品に経営資源を集中する。
　なお、EICNが展開するベビー用紙おむつブランド『GOO.N』の認知率は高いため、今後は豪悦社を含む外部に生産を委託し、販売事業は継続する。これによりコスト競争力の向上と、中国ユーザーの志向に対応した商品開発・生産につなげる。譲渡先の豪悦社は、ベビー用紙おむつの原材料を生産しているためコスト競争力があり、EICNのビジネスモデル転換を進めるうえで親和性が高く、譲渡先企業として最適と判断した。
【EICNの概要】▽所在地：江蘇省南通市▽事業：紙製品、衛生用品などの生産、販売▽資本金：1億6,000万㌦▽設立：2012年
【豪悦社の概要】▽所在地：浙江省杭州市▽事業：紙おむつ、生理用品、不織布、包装資材製品などの製造・販売▽資本金：1億5,500万元▽設立：2008年