大王製紙は、6月5日の「世界環境デー」に合わせ、大王グループが推進する取組みを改めて公表した。主な取組みは次の通り。
【海外の取組み】フォレスタル・アンチレ(チリ)では、5万9,000ha(東京23区の面積に相当)の山林面積を保有し、そのうち2万8,000haを天然林として保存している。2014年にはチリ・アウストラル大学と共同で、山林内の天然林に生息する動植物の調査を行い、天然林の損傷を避けるための看板や柵の設置などを行った。また2018年には、天然記念物に指定されている樹木アレルセが見つかったほか、絶滅危惧種のウイジンや準絶滅危惧種のピューマなどの生息も確認されている。
【国内の取組み】社有地雑木林「横岡山」は、多様な樹種(アラカシ、コナラ、ヤブツバキ、サクラ、シュロなど)で構成され、哺乳類や昆虫類、爬虫類が多数生息しており、2024年には環境省の「自然共生サイト」に認定された。愛媛県が実施する愛媛の森林(もり)基金活動にも参加している。
バイオリファイナリーの早期事業化を目指す
また大王製紙は、バイオリファイナリーの早期事業化を目指した取組みも進めている。
CO2排出量の削減が世界的に求められる中、従来型のオイルリファイナリーから、バイオマス原料で化成品や燃料を製造するバイオリファイナリーへの転換の必要性が高まっている。こうした状況下、大王製紙は6月からバイオエタノールのサンプル提供を開始し、バイオアスパラギン酸、バイオコハク酸についても順次、提供していく計画。また、現在のベンチプラントから今後はパイロットプラントへ、さらに2030年には年間数万規模の商用設備の稼働を目指し、事業化を進めていく。
なお同事業は、NEDOが2023年度に公募した「バイオものづくり革命推進事業」に採択され、さらに24年度末のステージゲート審査では、研究成果が認められ、25~27年度の助成・委託事業のステージ2に進むことが決定している。