電子ペーパーとは異なる。極小ICチップを抄き込んだ紙のことで、商品券や有価証券などへの応用が考えられている。王子製紙がエフ・イー・シー(FEC)グループ、トッパン・フォームズと共同で生産技術の開発を進め04年11月に発表した。アンテナ内蔵型で0.5×0.5mmサイズの超小型ICチップを、紙の製造過程で定位置に抄き込み、ロール紙や平判紙として出荷できる。チップサイズから紙の厚さに制限はあるが、有価証券類や値札などの厚物紙に適用可能。ICチップはFECが開発した「MMチップ」を用いる。13.56MHzから2.45GHzまでのマルチバンド対応非接触型で、世界で初めて赤外線方式によるデータ書き込みにも対応。
同チップはマレーシアの国家プロジェクトに採用が決まっている。従来はチップを貼り付けるなどして製造していたが、紙の製造工程で直接抄き込むことにより量産性が大幅に向上する。最近では日立製作所中央研究所が06年2月に0.15mm角、厚さ7.5ミクロンの世界最小、最薄の非接触型ICチップを開発し、動作確認に成功した。商品券や有価証券、ICタグなどで活用されはじめている。
出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社