「抗菌」については定義が必ずしも統一されておらず、業界によってマチマチだが、大まかには細菌の繁殖を抑制することを指し、そうした機能を付与した紙を抗菌紙と総称している。ちなみに似た言葉として殺菌、滅菌、除菌、防カビなどがあり、これらの定義も明確ではないが、一般に殺菌や滅菌は細菌を完全に死滅させること、除菌は細菌を除去して数を減らすこと、防カビはカビの発生・生育を抑制することを指す。
抗菌に用いられる抗菌剤は銀、銅、亜鉛などの金属塩をセラミックスやガラスなどに混ぜてつくった無機系と、化学薬品などを用いた有機系に大別され、これに酸化チタンなどを用いる光触媒系を加えた分類もある。また最近では人体に安全なヒノキチオールやキトサン、ユーカリ、カテキンなど天然系抗菌剤の使用も増えている。抗菌剤を付与する方法は塗布、吹付け、含浸、抄込みなどさまざまで、樹脂などの場合には練り込みも行われる。
出典:「知っておきたい紙パの実際2009」株式会社紙業タイムス社